「Blackmagic eGPU」導入の密かな目的とは?
昨日は,新しく導入したMac用外付けGPU「Blackmagic eGPU」の驚愕のベンチマーク結果をお届けましした。
他のサイトでも,
「通常の13インチモデルより4~6倍、dGPUを搭載した15インチモデルより1.9~2.6倍高速となっているようだ」
と記載していたものがありました。
15インチモデルと比べて2倍だなんて,夢のような数値です。
まあ,私のMacBook Pro(Late2016)のCPUは相当落ちますので,様々な要素がからんでくるとは思われますが,今後Macを買い換えてもこの「Blackmagic eGPU」さえあれば,iMac級の性能を楽しめることになるでしょう。
さて,特別ヘビーな使い方をしない私が,この「Blackmagic eGPU」を導入したのは,「今後への先行投資」という意味合いの他,もうひとつの大きな目的がありました。
昨日もヒントをお出ししましたね。これです。
Windows仮想化環境「VMware」のバグを何とかしたい!
詳しくは過去記事に譲りますが,私Windows仮想化環境でこれまでトラブルを抱えてきました。
そもそもは,Parallelsが急に起動,シャットダウンしなくなり,インストールし直しても改善が見られなかったため,他の仮想化アプリに舵を切ったことから始まりました。
VirtualBoxは,インストールまでは行くもののシャットダウンができず…
というわけで,最後の砦「VMware」にすべてを託したのですが,こちら,インストールもできましたし,起動もするのですが,なぜかLG UltraFine 5K Displayの「全画面表示」にすると盛大なカラーノイズが発生し,全く使い物にならなくなってしまうのです。
また,不思議なことに,
・シングルウインドウモードにして,画面2/3程度の広さに画面を押さえるとそのカラーノイズがなくなり,通常使用が可能。
・LG UltraFine 5K Displayとの接続を切り,MacBookPro本体での使用時には問題が発生しない。
という状況。
何かしらのバグを抱えていることは明らかです。
しかし,Parallelsが全く信用できなくなった今,この環境で使い続けざるを得ません。特にWindowsを使いたいのは,仕事用に文書を作成するときです。文書は大画面で作成したいもの。2/3の画面サイズでは正直窮屈で,
「せっかくLG UltraFine 5K Displayを利用しているのに,なんなんだろう…」
とイライラすることも多くありました。
このVMwarer,Parallelsに比べると動きが重く,グラフィックスの面で相当不可がかかっているのがよくわかりました。一太郎や花子(Word,Excel等のMicrosoft製品,大嫌いなんです)のウインドウを開くというほんのちょっとの動作にも,もたつきが感じられ,この点についてはParallelsの圧勝なのです。
しかしParallelsは,しばしば根本的な動作が不安定になることがあったのに対し,VMwareはその点に関してはこれまで何の問題もありません。
「これで,全画面でのカラーノイズがなくなり,動作がもっとキビキビしたら申し分ないのだが…」
という思いは常にもっていました。
そこに今回の「Blackmagic eGPU」です。
私の考えは以下の通りです。
・VMwareの諸問題は,Macのグラフィックス性能の低さによるものではないか?
・LG UltraFine 5K Displayとの外部接続において,かなりの負担がMac側にかかっているのではないか?
・「Blackmagic eGPU」を導入してグラフィックス性能を大幅に引き上げることで,これまでの問題が解決されるのではないか?
もし「Blackmagic eGPU」の導入で仮想化における問題が一掃できるのであれば,なんと爽快なことだろう…。
という淡い期待を描きながら,実際に試してみました。
VMware生還! グラフィックスって大事だね
早速VMwareを起動。
んっ? 起動がこれまでより相当速い! 体感できるレベル!
そして鬼門のパスワード入力画面。これまでであれば,全画面モードで使用した場合,この画面ですでにカラーノイズが現れます。カーソルを動かしたその軌跡に沿って,気持ちが悪くなるようなノイズが盛大に発生するのです。そのカラーノイズで,パスワード入力画面が見えなくなるくらいに…。
それがどうでしょう! 見てください。何にも起こりませんよ!
クスショを撮る前に,ぐるぐるとマウスを動かしてもなんともありません。感動!
この後,実際に様々な画面に解像度を変化させてみましたが,これも異常なし。様々なアプリを起動させてみても同様。
やりました。これでようやくLG UltraFine 5K Displayの大画面でお仕事ができます!
まあ,当然のことなのですが,これまで仮想化の環境ではこの「当然」をなかなか享受させてもらえませんでした。
今後,Parallelsのようなことがなく,VMwareが安定して動作してくれることを願うばかりです。
「Blackmagic eGPU」の導入で,これまでの異常がすべてクリアになったということは,やはりグラフィックス周りの問題だったのでしょう。
Windows仮想化を行うにあたっては,Macに相当な不可がかかっているということでしょうし,その度合いがParallelsよりもVMwareの方が大きかったということなのでしょう。
どの程度eGPUに依存するのか?
そもそも,今回の問題解決にあたって,私なりのよりどころになっていたのは,VMwareが「Metal対応」を謳っていたことです。
最新のFusion10のホームページには,以下のような記述があります。
MacのeGPUの能力を引き出すためには,アプリ側がMetal対応していることが必要だということは分かっていたつもりですが,はたしてeGPUがVMwareで本当の効いているのか,また,他のどのアプリで働いているのかなど,結構不安な面がありますよね。
しかし,少なくとも今回の結果からして,Fusion10においてはeGPUがしっかりと機能してくれたようです。
これまでのカラーノイズ,全画面モードの件だけでなく,アプリの起動もかなり速くなりましたし,一つ一つの動きが目に見えてキビキビするようになりました。以前使用していたParallelsの動作よりも素早く動いてくれていますので,かなり快適に使えます。
「起動しない」等の致命的な状態にならない限り,ノンストレスで仕事に没頭できる環境ができあがりました。
本来Metalというのは,3DやVRといった分野を見据えているのでしょうが,こと仮想化に関しては,グラフィックス周りの性能が非常に重要であることを今回学びました。
更に,LG UltraFine 5K Displayのような大画面,高精細なディスプレイは,本当にMacを締め付けているのですね。チップ内蔵のGPUではどうにもできない限界があるということも体感させてもらいました。
さっ,これでお仕事のモチベーションも少しは上がったぞ!
あっ,前回の記事で書いた,「箱取って出しで使えなかった理由」を今回は書けませんでしたね。
次回はそれも含め,使ってみて気付いた細かなことについてお知らせしようと思います。お楽しみに。