「Blackmagic eGPU」を使って分かってきたこと
我がMacBook Pro(Late2016)の強化と,Windows仮想化環境の改善のために購入を決めた「Blackmagic eGPU」。前回まではその効果のほどをお知らせしました。
レビュー第3弾の今回は,雑多な使用感と,ちょっと心配なことについて書かせていただきます。
特に後半の「心配事」は,大事にならなければいいな…という感じです。
あっ,その前に「購入後の注意点」について。
以前のレビューで,「Blackmagic eGPU」を箱取って出しで使えなかったということを書きました。その原因は電源プラグです。この商品のプラグがこちら。
そう,アース用のプラグがついているタイプなのです。PC関係では結構一般的なようでヤマデンですぐに三つ穴用のタップを購入できたからよかったのですが,個人的にはこれまでこのようなプラグの製品は使用したことがありませんでした。
私と同じような方もきっと多いはず。
Appleには,専用の品として限定販売している責任からすれば,しっかりと明記しておくべき事項だと思いました。
皆様,ご注意あれ。
さて,本題です。
何気に安心したこと
短い期間ですが,その性能面以外のところで「Blackmagic eGPU」を使用して何気に安心したことから。
①静か〜!
かなり大きな筐体の本製品ですが,動作音が気になったことはここまで全くありません。
というか,「本当に動いてるの?」と,上下に手を当ててファンからの送風を確認することが多かったくらいです。
外付けのHDDの音だけが目立ち,巨大なeGPUからは何の音もしないというカオスな世界。不思議な状況です。
また,私の書斎にはエアコンがついておらず,結構な高温の状態で使用しているにもかかわらず,それほど熱くなっている印象がありません。最も,負荷の大きい作業をしていないということもあるのですが,どの程度の負荷がかかるとうるさくなってくるのかについては,追々体感していきたいと思います。
②LG UltraFine 5K Display完全対応
「Blackmagic eGPU」は,LG UltraFine 5K Display完全対応を謳っています。
LG UltraFine 5K Displayに接続した段階で,eGPUが優先的に使用される連携がなされているようですので,安心です。
③スリープも同期
Mac本体をスリープさせると,「Blackmagic eGPU」も連動するかのように数十秒後にスリープに入ります。
音が静かすぎてよく分からないのですが,稼働しているときには「高床式状」になっている底面部に,内部からのライトの灯りが見えるのですが,スリープに入るとその灯りが消灯し,「Blackmagic eGPU」もスリープ状態に入ったことが分かるようになっています。
eGPUの使用具合が見える!〜仮想化トラブルの原因判明〜
レビュー②において,
「Windows仮想化環境の改善に,eGPUのグラフィックス性能が貢献していると思われる」
と書かせていただきました。と同時に,それを確かめる術が…ということを懸念材料として併記させていただいたのですが,ありましたよ。目に見えるようにする術が。
「アクティビティモニタ」→「ウインドウ」→「GPUの履歴」を選択すると,GPU使用履歴をリアルタイムで見ることができるのです。
下の画像は,「Mac+LG UltraFine 5K Display」という環境で「Fusion10で仮想化Windowsを使用→Windowsシャットダウン→Mac純正アプリを色々と操作」したときのモニタ画面です。
まずすごいのは「Blackmagic eGPU」とMac内蔵の550の二つのウインドウが並んでいること。しっかりと二つを認識しているのです。
更に今回の発見は,様々行った作業すべてにおいて「Blackmagic eGPU」側を使用しているということ。
完全に「Blackmagic eGPU」側に切り替わっていることが分かりました。
これ,すごく安心しますね。
また,グラフ前半部分の大きな山の部分がFusion10を走らせているとき。後半の小さい山はMac純正アプリの簡単な動作です。
ズバリ!
「仮想化環境ではeGPU側の性能を最大限に使用している」
ということがこれで判明しました。前回のレビュー内で予想した,
「グラフィックス性能不足がこれまでのFusion10不具合の理由ではないか?」
ということが,しっかりと証明されることになりました。
やっぱり仮想化ってものすごいパワーを必要といているようです。
最後に心配事…
昨日までは問題なかったのですが…
本日,「Mac+LG UltraFine 5K Display+Blackmagic eGPU」という通常使用の状態で,LG UltraFine 5K Displayの画面が突然点滅を始めました。
点滅というか,一瞬ブラックアウトして1秒後には通常画面に戻るという状態です。
すると次第にその頻度が上がり,もはや使っていられないくらいの頻度で発生するようになってしまいました。
「Macのグラフィックス問題」については,15インチモデルの外部GPUの事例が記憶に新しいところで嫌な予感がしています。
ネット上には,「SMCリセット」「NVRAMリセット」等の紹介があり,試してみましたが,状況は変わりませんでした。
しかし,何回かシステム終了からの再起動を試しているうちに気付いたことが…。
「MacとBlackmagic eGPUを接続するThunderbolt3ケーブルの挿入タイミングによって状況がかわる」みたいなのです。
これ,以前にLG UltraFine 5K Displayを購入した直後にもあったことで,MacとLG UltraFine 5K Displayを最初から接続した状態で電源を入れると,どういうわけかフリーズすることがあったのです(毎回というわけではありません)。
それ以降,LG UltraFine 5K Displayや周辺機器の電源を入れてからMacと接続することが常となっておりました。
今回も,Macと「Blackmagic eGPU」を最初から接続した状態で一斉に電源を入れると,点滅が発生します(LG UltraFine 5K DisplayとBlackmagic eGPUは最初からThunderbolt3ケーブルで接続済みの状態)。
しかし,後からMacを接続するようにすると,今のところ点滅はないようです。
もし今回の状態が,LG UltraFine 5K Displayのこのような「くせ」によるものだとすれば,それほど心配はいらないと安心できるのですが…
以前の15インチモデルのときのような,「根本的」な問題ではないことを祈りたいものです。
※緊急追記
と,上に書いた状態は7/15のもの。
本日7/16の午前中に立ち上げようとすると,
「Blackmagic eGPUを含めた周辺機器の電源オン+MacBookProシャットダウン」
の状態でMacにThunderbolt3ケーブルを挿入すると「すべてが立ち上がらずそのままダウン」することが2回続きました。
通常であれば,MacBookProの電源が入っていなくても,LG UltraFine 5K Displayに接続させたThunderbolt3ケーブルをMacに挿入するとMacが起動してLG UltraFine 5K Displayも表示されるはずなのです。
2回連続で失敗しましたので,次にMacのモニターを開いてパスワード入力画面を表示した段階で「Blackmagic eGPU」側のThunderbolt3ケーブルを挿入すると,今度は無事に起動。
そのまま液晶の点滅もなく今のところ無事に使用できています。
二つのGPUの認識の関係で,一旦Mac側の電源を入れてから「Blackmagic eGPU」を認識させる必要性が生じたということでしょうか?
またしばらく使ってみて,その真偽を確かめていきたいと思います。
「液晶点滅」の事例と併せて,ちょっと心配…