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iPhoneXSの魔法「ポートレートモード」について考える②〜その致命的弱点と限界〜

iPhoneXSの「ポートレートモード」,その致命的弱点とは?

 爆発的に能力を向上させた「ニューラルエンジン」によって,
「後からf値を変える」つまり
「後から背景をぼかす」
というとんでもない荒技を開発したApple。

 

 その効果は「正に魔法」であると昨日お伝えしました。 

 

 しかし,その裏側には致命的な弱点があるとも…。

 ではいったいその弱点とは一体どんなことなのか?
 答えは「ポートレートモード」で撮影したこの1枚の写真の中にあります。恐らく見ただけで分かるのでは?

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ぼける「範囲・境界線」と「階調性・段階性」が,やはり人工的

 上の写真,何かオカルトチックにさえ見えますよね。コスモスの花びらが宙に浮かんでいるような…。

 そう,その大いなる違和感の原因は以下の2点です。

 

①AIが認知する「範囲・境界線」に限界がある

 この写真では,コスモスの花びらを「被写体の中心」と捉え,恐らくレンズからの距離がその花びらと同等の部分を「残そう」と頑張っている様子が感じられます。

 と同時に,花びら周辺を「一定の広さの面」として捉え,その周辺をひとまとまりにして捉えようとしています。

 

 ですから,写真上部のコスモスの花びらたちの周辺はまともな写真として成立しているのです。

 しかし,花びらの下部にあり,「距離的には花びらと変わらない位置にある」はずの茎の部分はことごとく「ぼけの世界」に埋もれてしまっています。

 

 つまり,ニューラルエンジンによるポートレートモードの被写体深度の捉え方として,「対象との距離」と「中心たる被写体周辺の平面」という2つの考え方を融合して「ぼかす」「ぼかさない」を判断しているように考えられます。

 この認識具合がAIには非常に難しいのでしょう。「距離だけ」で捉える本物の写真とは根本が異なるわけです。

 

②「範囲・境界線」に認知がズレると「一気に」ぼける

 そしてもうひとつの問題点。

 上記の「範囲・境界線」の認識がズレると,本来の「距離に従って徐々にぼけていく」という根源的な約束事を無視して「一気に」ぼけてしまうのです。

 上記の写真も本来であれば,花びらと同等距離にある「茎」の部分はしっかりとピントが合い,その前後の茎も徐々にぼけていくことで「そこに茎がある」ことが自然に表現されなければいけないわけです。

 

 この,ぼけの「階調性・段階性」というものが非常に弱いため,「不自然に」「一部分だけ」「一気に」ぼけてしまうという「オカルト」が発生してしまうようですね。

 はっきりいって,写真にとっては致命的な弱点です。大げさではなく…。

 

「ポートレートモード」は用途を選ぶ

 ポートレートモードは「万能」ではないということがはっきりしました。

 本来の用途である「人物」であれば,そんなに大はずれすることなく撮影できるくらいにはなっているでしょう。
 昨日のSTARBUCKSの紙容器も,表面積が広く形も一定で,ポートレートモードに適した対象だったと思われます。

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 それは,人物にしても紙コップにしてもおおよそ「平面的」であり,コスモスの枝のように細く何本も乱立しているような造りになっていないからです。

 そう,平面を平面として認識できるだけの「広さ」があり,奥行き的にもAiを困らせるような余計な情報がなければ,そつなくこなせるものだと考えられるのです。

 

 私はこのポートレートモードを「風景」「マクロ的な撮影」にも使用できるかな?と考えてみたのですが,まず「マクロ的な」用途は無理です。

 なぜなら,ポートレートモードを使用するにあたっては望遠側のレンズを使用しているようで,かなりの「距離」を要求されるからです。対象物からかなり離れないと,撮影できない仕様です。

 その撮影自体がうまくいっても,撮って出しでは距離が空く分「アップ」にすることはできませんので,「切り抜き」等の編集が必要となるでしょう。

 

 そして「風景」

 今回のコスモスはiPhoneXSにとって「最難関の課題」だったと思われます。平面認識からいっても,距離認識からいっても…。

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 撮り方によってはこんな「惜しい」ものも撮れますが,やはり扱いが難しい…。
 白い花びら下部のぼけ具合が怪しい…。

 

 というわけで,他の風景だったらポートレートモードを生かせるかも…という考えのもと,次回の「シリーズ③」では,ポートレートモードを活用した風景写真の可能性を探ります。