後から絞りを変えるなんて…一眼利用者には魔法です!
私のようなデジタル一眼利用者にとっては,レンズの絞り値を変えることで被写体深度を表現することは,何よりの楽しみでもあります。
要は,背景をぼかしたり,ぼかさずに全体にピントが合うようにしたりということ。
ここにシャッタースピードや明るさ等の問題もからんできますので,様々な要因を考え合わせること自体に撮影する楽しみがあると言えます。
しかし,今回のiPhoneXSのポートレードモードは,そんな蘊蓄をぶっ飛ばし,
「後からいくらでも背景をぼかすことができますよ!」
という「魔法」を生み出したことに,その価値があります。
いや〜,びっくりしますよ,これ。
以前にも話題にした「ニューラルエンジン」の真骨頂というべき分野なのでしょうが,これまでの常識を覆すような「裏技」さえも可能にするのがデジタルの力ということなのでしょうか?
加えて,カメラ部のイメージセンサーが「32%」拡大したことで,特に暗所での写りが格段に向上してるようです。
デジタル一眼でも,このセンサーの大きさが写りに「絶対的な」影響を与えますので,30%以上のアップは相当な物理的アドバンテージといえましょう。
では,その実際の「魔法」を見てみましょう。
これが「撮影後」にできることが大きい!
iPhoneXS購入の翌日のSTARBUCKSでの一コマ。
コーヒーの紙パックを撮影したものです。
まずは「ポートレートモード」撮って出し。解像度は下げています。
次にiPhoneXSでF値(絞り)を開放(最も明るい・最も深度が浅い状態)に加工したもの。
!!!
なんですか,これ!
まるで違うんですけど!
ねっ,魔法でしょ?
ちなみにこの被写体深度を変更できるのは「ポートレートモード」だけの特権。他のモードでは変えることができません。
通常はこれを「撮影前」に考えるのです。絞りの値を換えたり,レンズを換えたりして…。
これが事後にできて,しかも,何度でもやり直すことができます。素敵です。
でねっ,発見しました!
撮って出しと,深度変更の編集をした後のJPEG画像の「詳細」を見ると,両方とも全くその数値が同じなのです。
具体的にはこちら。
特に注目点は「F値」です。
撮って出しの初期値は「2.4」。これはまずいいです。初期設定ですので,iPhoneXSが自分で決めた数値。
これを私は「開放」といわれる最小値の「1.6」にして,背景をよりぼかした上記の画像に変更したはずなのですが,JPEGの数値そのものは「変化していない」のです。
これが「撮影後」にあくまでもソフト的にデジタル処理されて画像が「加工された」証拠です。
こだわる方の中には,
「このポートレートモードのためだけに買い換える」
という声が上がってもおかしくないくらいの出来なのではないでしょうか。
他にも,暗所や逆光の表現がえげつないほど改良されているようですので…。
しかし,致命的な弱点もある
と書きますと,このiPhoneXSの「ポートレートモード」は完全無欠か?と思われるかもしれませんが,そうではありません。
逆に「致命的」ともいえる弱点もあるのです。
昨日,撮影してみて分かったことなのですが…。
それは次回のお楽しみ。
iPhoneXSの魔法「ポートレートモード」について考える②でお会いしましょう。
★追記★