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iPhoneXRのカメラは,アプリで「人物以外のポートレート化」できるのか?〜HalideとFocosで試してみた〜

iPhoneXRは「ポートレート化」できるか?

 iPhoneXSでは可能な「人物以外のポートレートモード」が,一眼カメラのiPhoneXRではできません。

 風景や物撮りでのポートレート的,あるいはマクロ的な活用ができないということはある意味不幸であると,以前記事にさせていただきました。 

 ところが,私がこの記事を書いた10月下旬頃から,
「ソフトウエア的にiPhoneXRをポートレート化できるようにする」
という記事がちらほらと現れまして,既存の「カメラアプリ」の中にも,後からピント位置や被写体深度を変更できるものがあるということを知りました。

 そんな中,いつもの「Appleが大好きなんだよ」さんも,「Halide」というカメラアプリをiPhoneXRで試して「使える」とおっしゃっていましたので,無料アプリ「Focos」と併せて,私も試してみることにしました。

 

本当に使えたら儲けもの

 まずは,Appleが大好きなんだよさんの動画がこちら。


XRの価値が急上昇!iPhone XRのブツ撮り猫撮りで背景ボケができるアプリ・Halide

 

 まずは基本的な考え方を。

 試してみる前段階から,これらのアプリには非常に懐疑的な感覚をもっていました。
 各デバイス製造会社がこぞってしのぎを削る昨今の「カメラ事情」を考えると,正規メーカーができないことを,第三者がおいそれとこなすことができるとは考えられなかったからです。
「きっとどこかに落とし穴があるはず。」
という思いがありながらも,
「もし本当に純正同等の画質,使い勝手で撮影できたら,これは本当の儲けもの」
という思いもあり,今回の実験へと進むことにしました。

 「Halide」は720円の有料アプリ。
 さて,「高い!」となるか「安い!」となるか?

 

 あっ,それから,iPhoneXSのポートレートモードは,人物以外にも使えますが,被写体との距離を求められ,そのままではマクロ的な活用が困難です。
 特にマクロ的な活用をするとなると,後処理でトリミングすることが大前提。
 先のAppleが大好きなんだよさんの動画では,「Halide」がかなり寄っての撮影ができるということでしたので,もし「使える画質」であれば,Apple顔負けの「大革命」となります。

 

 では,スプレー缶を中心に撮影した画像を見ながら,その成果を確かめていきます。

 

①iPhoneXS純正カメラ。ポートレートモード

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 かなり離れないと撮影さえさせてもらえないのは相変わらず。
 しかし,その画質はさすがに素晴らしいです。
 スプレー缶の全体をしっかりと認識しており,前後,左右のぼけ方も非常に素直で,この写真では例の「一部分だけぼけきれない」ということもありませんでした。
 もし中央をアップで使いたいときには,当然トリミングが必要となります。まあ,別に嫌ではありませんけどね,その作業。

 

②「Halide」・Depthモード

 「Halide」には,「Depthモード」が存在し,このモードを選択すると被写界深度を調整できるようになるとともに,このモードで保存した画像は,iPhoneやMacの写真アプリで,純正同様の編集が可能となります。
 もしこのアプリが使えれば,最強なのですが…。

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 おわかりいただけますか?
 今回のように,段階的に距離がある状態に置かれたものに対しては,まずもって「被写体の認識」そのものができていません。ここがiPhoneXSとは決定的に異なる部分です。
 ですから,1枚目はスプレー缶のキャップ部分だけが,2枚目はキャップ内の文字だけがぼけてしまっています。
 ダメです。全く使えません。被写体の認識そのものが甘過ぎです。本当に残念な結果になりました。お金,返して欲しい…。

 

③Focos

 このアプリは,「ポートレートモード」に特化したアプリではなく,そのぼかし方そのものの考えが他とは異なっているようです。

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 まずは写真を。

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 分かります?
 この写真では缶中央の大きい白文字にピントを合わせていますが,そこを中心に左右をぼけさせています。
 それでですね,「ぼけさせる」というか,「白いもやで強制的にぼやぼやさせている」ということなのです,これ。
 ですから,自然なぼけになるはずもなく,モヤモヤを上塗りされたような表現となってしまっています。
 これもダメです。少なくとも「写真」としては使えません。

 

結論,第三者アプリでごまかすことは難しい!

 結論の前に申し上げたいのは,これらの2つのアプリそのものを否定するわけではないということです。
 あくまでも「本来の写真としての自然なぼけ」を追求して…という考え方に立つ場合においての考え方です。様々な加工を楽しむ分には,よくぞここまでやるな,という印象をもっておりますので,ご了承ください。

 

 さて,「写真的な」という観点での結論。

①被写体深度を適切にデジタル処理する技術は本当に難しい

 これまでデジタル一眼で表現してきた「ぼけ処理」は,単純な「距離情報」によるものでした。ですから,細かな「魔法」は使えませんが,「距離に応じて段階的にぼかす」ということがごく自然にできたわけです。
 そこには,「輪郭」とか「被写体ごとの仕分け」とか,面倒くさい概念が存在しないわけですから。

 しかし,いざこれをデジタル処理するとなると,本当に難しいことなんだということを実感させられます。

 今回比較したアプリがどうのこうのという前に,やろうとしていることが現状の技術では至難の業だということを,我々は認識しなければならないのです。

 だからこそ,ニューラルエンジンが飛躍的に進化したiPhoneXSにおいても,未だに「境界線が…」「距離を離さないと…」などという不都合が生じるわけです。
 しかし,逆に考えると,iPhoneXSって実はものすごく難しいことをやっちゃってるわけですね。

 

 また,だからこそ,Pixel3のポートレートモードの性能がいかに優れているかということの証明にもなろうかと思います。 

 

②iPhoneXRにおいては,「アプリ」での被写界深度完全再現は難しい

 ということで,残念ながら現状ではiPhoneXRにおける「アプリによる被写界深度の完全再現は難しい」ということになります。 

 画質にこだわる方であれば,あるいは,少しでもデジタル一眼のイメージをもってiPhoneXRに接しようと考えていらっしゃる方であれば,期待しない方がいいと思われます。

 

 この先,アプリで完全なるポートレートが可能な時期が来るのか?

 それとも,次期iPhoneでこの点が解決されるのが先か?

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