ミンチー・クオ氏がiPhoneの復調を予想…
これまでにない年初のスタートとなったiPhoneの売上。
特に中国国内での売れ上げに対する懸念が大きく,これには,製品としてのiPhoneの問題点の他,米中の経済戦争の影響も関わっていることは明らかです。
Apple自身も生産削減を認め,世の中の悲観的な見方も深まる中,有名アナリストのミンチー・クオ氏が,
「2019年後半,iPhoneの販売台数は盛り返す」
との見解を表明しました。
…いや,そんなに甘くはないでしょう!
「販売台数」だけ見てもダメでしょ? まあ,台数自体も減るとは思いますが
記事をざっくりと見ると,2018年前半は台数削減があるものの,後半は盛り返し,2018年と同等の販売になるのでは…ということです。
その理由として挙げているのが以下の2点。
①下取り額アップによる売上増加
②2019年iPhoneが従来どおり売れる
皆さんは,どのようにお考えですか?
そもそもこのミンチー・クオ氏は,iPhoneXRが発売当初に絶望的な不人気を露呈していたのにもかかわらず,しばらくの間は「爆発的に売れる」と言っていたお方です。
素人の私が見たって,XRの予約状況を見て,
「これは記録的な不人気になる。」
と直感したのにもかかわらず,「著名アナリスト」は真逆を唱えていたわけです。
そして現実は皆さんがご存知の通り。
この方,一体何を根拠に先を見通しているのか,さっぱり分かりません。
今回の記事に関しても,私は「販売台数は増えない」と考えます。
クオ氏が根拠とする2点が,順調に行くとは思えないからです。
①の「下取り額アップによる売上増加」は,限定的な意味合いしか持ちません。これまでのメインの新型iPhone購入者は,「2年ごと」に買い換える熱心なiPhoneファンだったはず。旧機種限定の「下取り額アップ」では,「別に新しいiPhone出なくても構わない」という層を切り崩すことはできないと考えます。
また,②の2019年iPhoneの売れ行きですが,ポイントはあくまでも「価格設定」であり,近年の「超高価格iPhone」が継続するのであれば,売上はダウンする一方だと考えます。
また,そもそも,「値引きをして販売台数だけ増やしても,利益は上がらない」ことを考えれば,単純の販売台数がアップすればいいという話ではないはずです。
「素人の感覚」はバカにできないのでは…
今年度のiPhoneの不人気を見ていると,
「意外と素人の感覚ってバカにできないなあ。」
と強く感じます。
iPhoneXS発表時に会場にあふれた高価格に対するざわつき。それは,
「そんなに高くちゃ,売れないだろう…」
という驚きでした。
また,予約状況や実店舗での動きを見て,肌で感じる売れ行き動向。
「いつもと違う…」
という感覚は,市場の現場に近い我々が直接感じ取るものです。
恐らく,Apple自身も,有名アナリストも,2018iPhoneに関しては「読み違えた」のです。
Appleさん,ユーザーの声を聞いてください。
独創的なアイデアで独走していた頃であれば話は違うでしょうが,もはや,あなたたちの言い値で売れるほど,スマートフォンは物珍しいものではなくなったのです。
2019iPhone,特に値付けにはご注意を!