iPadで文書入力…考えたくもありませんが
よく,
「iPadはMacの代わりになるか?」
という話題が議論されます。
答えは完全に「NO」であるということは,本ブログで再三取り上げてきた事柄です。
Microsoftとは違い,Appleは「なんでもできるデバイス」をつくろうとは考えていません。
Mac,iPad,iPhoneと,それぞれの得意分野の中でそれぞれのよさを最大限に発揮してこそ,各デバイスが生きると考えるいるようです。
それを穴埋めする形で,各デバイス間の連携が非常に高いレベルで保たれているのも,Appleデバイスの特徴です。
しかし,それぞれができることを膨らませていこうとする努力は怠っていません。
このApple側の努力を,「iPadがMacの代わりになる…」という方向に間違って捉えないことが重要なのです。
これまでであれば,iPadで文書入力することは,最大限避けたい作業の1つでした。文字の選択やコピペ,移動等,文書入力時のストレスが半端ないからです。
この分野ではもはやMac一択です。
しかし,新設されるiPadOSでは,ほんの少しだけ文書入力がしやすくなり,「いざというとき」の力にはなりそうです。
「コピー」における文字選択がしやすくなるのはうれしい!
iOSやiPadOSで真っ先に絶望的になるのは「文字の選択」です。
この「文字」を,この「文章を」等,欲しい部分を選択する時点でもういやになってしますわけです。
Macであれば,マウスやTrackpadで自由自在にできることを,思い通りに選択できずに何回もやり直すなんて,愚の骨頂。
少しでも長い文章を打つのであれば,すぐさまMacを手にとりたいわけですが,ブログの簡単な手直し,オークションやショッピング等をiPadで行っていた際の取引など,Macに移行しないでそのまま済ませたい…という場面も多いわけです。
そんなとき,これまではイライラしながら何とかiPadで作業を続け,
「やっぱりiOSで文字は打つもんじゃない…」
という思いを強めてしまう結果になってました。
しかし…。
iPadOSでは,この「文字選択」「コピー」「ペースト」という,非常に基本的な文字操作に関する部分が非常に楽にできることになりそうです。
まずは「文字選択」。
狙いの文章において,「タップ2回で1つの単語」「タップ3回で1つの文章」「タップ4回で1つの段落」と,タップの回数で選択範囲を決定できるようになるそうなのです。
「単語」はもちろんですガ,「一文」を選択したいという場合も多いですよね。
タップの数が「3回」「4回」というのはどうかと疑問に感じる部分もありますが,選択が一気に決まるのであれば,これまでのような「やり直し」が無くなるわけで,非常に好ましいことです。
更に…。
「三本指での操作」という新たなアイデアが加わりました。
三本指でピンチインすると選択した文章を「コピー」。
三本指でピンチアウトすると「ペースト」。
三本指でスワイプすることで,Undo,Redo。
これまでの「四本指」の動作でホーム画面に戻ったり,アプリを切り替えたりということはごく自然に行っていますので,恐らく三本指での動作も自然に身体に染み込んでいくことでしょう。
デバイス間の溝を埋める努力には賛成!
MacはMac,iPadはiPadなのですが,様々な分野で両者の溝を埋めていくという考え方自体には賛成です。
今回の文字入力に関しても,これまでだったらすぐにiPadを放り出したくなる場面で,
「これくらいだったらiPadのままでもできそうだな…」
と感じる機会を増やす…という程度の意味合いです。
決してiPadをMac化させようとしてはいけません。
この考え方は,macOS Catalinaにおける「Sidecar」においても同様です。
iPadはMacのサブディスプレイになるだけであって,それ以上でもそれ以下でもありません。
独自の機能性に特化しながら独立しているMacとiPadにおいて,「できることが増える」というメリットを受け取ればいいだけなのです。
この部分をしっかりと理解しながらAppleデバイスを利用できれば,Appleの各デバイスのよさを更に感じ取ることができるはずです。