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AVIOT 「TE-BD21f」レビュー④ イヤピース・フィッティング後編〜「低音」「ボーカルの近さ」「奥行き感(音場)」に弱点あり〜

イヤピースで弱点を克服できるか?

 AVIOT「TE-BD21f」のレビュー第4弾。

 ここまでは,「開封」「取って出しの音質」「イヤピース・フィッティング前編」ということでお伝えしてきております。  

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 この「TE-BD21f」は,それ独特の形状故,フィッティングの難しさを抱えているということを前回書きました。
 今回はそれを支える「イヤピース」についてです。

 エージングが完成しておりませんし,ちょっと気になるイヤピースを別途発注していることもあり,このイヤピース編も現時点のものということでご承知おきください。

 それでは行きましょう。

 

「MOMENTUM True Wireless」の場合と比較しながら…

 基本的に「TE-BD21f」は「MOMENTUM True Wireless」と同サイズのイヤピースを装着できるようですので,前回の記憶を辿りながら,比較検討してみることにします。

 まずは装着候補がこちら。

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 左から,

「ゼンハイザーLサイズ」
「SpinFitCP-145L」
「SONYハイブリッドXL」
「SpinFitCP355M(TE-BD21f付属)」
「標準イヤピースL」

となります。

 「MOMENTUM True Wireless」では,SONYと純正Lとで迷いながら使用し,最近では艶やかな低音と壮大なスケールの音場最優先に,「純正のLサイズ」を使用することが多くなっています。当初はSONYを多用していましたが…。

 解像度をもっと上げたいときにはSONYハイブリッドやSpinFit145Lにしますが,下手をすると高音部がキンキンしてきますので,その辺はトレードオフといった感じです。 

 さて,「TE-BD21f」。
 それぞれのイヤピースの特徴をまとめておきます。
 もちろん,「私の耳」での聴き分けですので,耳の形によってサイズの概念が変わってくることを考え合わせながらご覧ください。

☆標準イヤピースM

 購入当初にデフォルトで装着されているもの。
 一聴して中・高音の煌びやかさが際立ちます。これだけで相当のポテンシャルを感じます。
 しかし,低音が足りません(エージングが進むごとに低音が出てくるようになりますが…)。
 普段聴きには厳しいのでこれはパス。

☆標準イヤピースL

 「Mサイズ」で低音が足りないということで,サイズを上げます。
 すると,低音がぐっと出てくるようになり,その上で中・高音のよさも消されていません。
 音圧もかなり感じることができ,迫力ある音。
 横方向の音場が広く,奥行きもある程度感じられます(「MOMENTUM True Wireless」には遠く及びませんが)。
 ボーカルがやや近いのが気になりますが,許容範囲。
 これまで私がイヤホンに関して要求してきた「トータルバランス」という点では,非常に優秀だと感じました。

 基本フラットなのですが,音場の広さ,若干の音の艶もしっかり感じられ,リスニング傾向もある音作りです。真面目一辺倒でないあたりが,AVIOT流の音作りなのかもしれません。

 なかなかいいです!
 更なる音質向上を目指して,標準以外のイヤピースにチャレンジ。
 「MOMENTUM True Wireless」では,各種「XL系」の大きいサイズが最適でしたので,こちらにも期待したのですが…。

☆SpinFitCP355M

 こちらは,本機専用品として付属するSpinFit製イヤピース。
 残念ながら一番大きいものでMサイズでしたので,上の画像からも分かりますが,一回り小ぶりです。
 音も,予想通り低音が足りません。
 しかも,標準よりも,前回書いた「顔の動きに伴う音質変化」が目立つ結果に…。耳道をぴったりと塞ぐが故に,音に影響が出るのでしょう。
 残念,私には合いません。

☆SpinFitCP-145L,SONYハイブリッドXL

 どちらも「MOMENTUM True Wireless」に装着すると,低音が減り,分離感が上がって,よりくっきりする印象でした。その分ボーカルのざらつきが気になりましたが…。

 しかし「TE-BD21f」では,真逆の印象。
 低音がだぶついた上に量感も大きくなり,中・高音がマスクされたように聴こえます。しかも肝心のボーカル帯が今度は遠くなりすぎる印象に。

 標準サイズではボーカルがやや近すぎ,他のXLサイズ系だと遠くなる…,
 この「TE-BD21f」は,中音域の「距離感」が1つの大きな課題になる機種かもしれません。

☆ゼンハイザー純正L

 これがサイズ的には最も大きいものですので,当然低音だけが主張する苦しい音になります。予想通りの結果。
 これはなしです。

 

繊細で気難しいツンデレさん

 というわけで結論。
 「MOMENTUM True Wireless」に比べ,「TE-BD21f」はより耳道に密着する形状になっているため,ワンサイズ小さいイヤピースを選択するべきだということが分かりました。

 また,基本的に僅かな装着の違い(強く押しつける,浅く挿入する,少し回転させる等)が音質の違いに直結する傾向が非常に強い,デリケートな機種です。

 個人的にケアしていかなければならない観点とすると,

★低音の量感,質(低音の具体的な音質に関しては,最終的な音質評価の際に書きます)
★ボーカルの距離感
★臨場感,奥行き感(悪いわけではありません。「MOMENTUM True Wireless」と比較すると…という高いレベルでの話です)

というあたりでしょうか…。

 なかなか耳の中で安定しない本体の形状や,顔の角度で音が変わるという弱点との絡みもあり,この機種,「イヤピース沼」確定のツンデレさんだといえましょう。

 どうしても「SpinFit CP360」のM,Lサイズ試したくて,ただいまe☆イヤホンからの到着待ちです。

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 現在品切れ中のようですが,「8月中旬までに入荷予定」となっていました…。お盆になりますが,本当に入荷するのか?

 

 最後に…。
 標準のイヤピースがしっくりくる…というのに,本機種独特の楕円形ステム口の存在が関係しているのかどうかが気になりました。
 これです…。

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 標準のイヤピースは,イヤピースの穴も楕円形になっており,その他の汎用品は当然通常の円形なのです。
 標準品以外は,ステム口の上を若干塞ぐようになってしまうために,ボーカルが遠く聴こえる…?

 だとすれば,標準イヤピースに適うものはなくなってしまうかもしれません。
 ただ,逆に,AVIOTは何故このような特殊なステム口にする必要があったのかも,同時に疑問に感じてしまいますが…。

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 デュアルドライバーを先端に搭載するために,ステム口を小さくできなかったのかな?

 

 次回は,ある程度のエージングを終えた「音質最終評価編」です。
 さて,「MOMENTUM True Wireless」を超えるのか?
 それとも?

★追記★ 

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