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2020年1月期ドラマ評① 「恋はつづくよどこまでも」に惹かれる理由

不作といわれる1月ドラマの中で…

 なかなか厳しい意見が多いですね,2020年1月期ドラマ…。

 ここまでの視聴率を見てみると,まあ,そんなに悪い数字が並んでいるわけではないのですが,はっきり言って「これっ!」というものがない印象。「勝ち組」と言えるような視聴率は全く見当たりません。

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Audience Rating TV > 視聴率 > 2020年01〜03月

 今期の最大の特徴は,以前にもお知らせしたとおり「医療系ドラマ」が乱立していることです。 

 視聴率的には「トップナイフ」が走っているようで,「さすが天海祐希!」とは思うのですが,個人的には第一話を観て,リタイアしました。今後のストーリー展開が読めてしまいましたし,肝心の医療シーンよりもドクター間の関係性,しがらみのようなことを中心に描かれていくような雰囲気が非常に強かったので…。
 その割には「白い巨塔」のような骨太感が全く感じられなかったのが痛かった。

 本格的な医療ドラマでは,患者とそれに携わる医療関係者に寄せた「医療中心」に描くか,医者側のしがらみに寄せた「院内政治中心」に描くかという振り分けをするのが王道でしょう。

 しかし,いずれも制作側が余程明確な意図をもっていないと視点がボケてしまいます。今回はこの類いが多いかも…。
 また,この部分がクリアできても,シリアスな展開になることが多くて,観ている側もそれなりのエネルギーを消費します。

 つまり,今期のように医療系ドラマが乱立することは,視聴者側の意欲を削ぐ結果に繋がる危険性があると考えるわけです。

 そんな中,私が唯一継続して観ようと考えているのが,「恋はつづくよどこまでも」です。

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「王道」とは異なるも…

 このドラマ,先に述べた医療系ドラマの「王道」とはかけ離れたものです。

 新人ナースの恋と成長をコメディータッチにほんわかと描いているのが特徴。
 ナースを志したのも,憧れの医師の元で働くためという不純さ…。新人でありながらいきなりその医師に告白。周囲はその行為を「勇者」として称賛する…。

 まあ,実際の医療現場では全くあり得ないような展開です。
  医師やナースの方からお叱りを受けるのでは…と感じるほどに平和ボケしているわけですが,あくまでも「医療系恋愛ラブコメ」と捉えれば,その振り切れぶりが逆に心地よくもあります。

 この「振り切れ感」,「ドクターX」も「神がかった技術をもつ医師」という設定で「振り切れていた」のと同様,あえて王道からはずしているという点で,今期のような資料系ドラマ乱立の中にあっては,結果としていい方向に出ているのではないでしょうか?

 さて,世の女性は,佐藤健さんのツンデレぶりに夢中のようですが,私は上白石萌音さんの貢献度の大きさを上げたいと思います。
 彼女のキャスティング,演技等には様々な意見が出ているようですが,私は演技からにじみ出る,上白石さんの人間性のよさが,このドラマの中心にあると考えているからです。

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 主人公の「佐倉七瀬」は,猪突猛進,自分の夢を叶えるために邁進する新人ナース。ナースとしての技術には未熟な点が多いのですが,患者に真摯に寄り添い,他のスタッフが気付かなかった患者の異変に気付き,治療に貢献します。
 失敗すればとことん落ち込み,それでもまた立ち上がる。まあ,お仕事ドラマとしてみればちょっと甘すぎるのですが,それでも観ていてほっとできますし,明日への活力をもらえます。

 そこに,上白石さんの賢明に「佐倉七瀬」を演じようとするエネルギーが加わり,なんとも言えない幸福感を感じるのです。
 役者は「演技が全て」という理屈は分かりますが,その役者さんのもつ根っこの部分が演技にプラスアルファを与えることがあるもの。逆に,どんなに演技が上手でも,何かしっくりこないものを感じる場合もあるものです。

 昨今の役者さん達のプライベートな部分でのトラブルの件もあり,「役者としての資質」について考えさせられるドラマです。

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