あれからもう2年弱経っていた…
「ビブリア古書堂シリーズ」と言えば,三上延さんのよる,鎌倉にある古本屋「ビブリア古書堂」を舞台にする本を巡るミステリー。
古書堂の若き女主人「篠川 栞子」とそんな栞子に心引かれる若者「五浦 大輔」を中心として,毎回「本」に関するミステリーを栞子さんが解決していく…という展開で,7作にわたる第一シリーズが完結しました。
ただ,単なるミステリーではなく,心を閉ざしていた栞子と大輔のゆっくりと進む愛の物語でもあり,栞子の母「智恵子」との親子の確執と和解の物語でもあります。
親子の確執が解け,栞子と大輔が結ばれるという形で終焉を迎えた第一シリーズでしたが,2018年9月には,第二シリーズが始まりました。
2人の間に生まれた女の子が「扉子」。
第二シリーズ1作目のサブタイトルは「扉子と不思議な客人たち」でしたね。
そして,そんな第二シリーズに,新たな章が付け加えられることになりました。
7月18日に,「扉子と空白の時」が発売されます。
「扉子の〜」というサブタイトル… 誰目線で書かれるの?
サブタイトルは「扉子と空白の時」。
前作に引き続いて「扉子の〜」と来ましたね。
恐らくは,第二シリーズ「扉子の〜」で統一するのでしょう。第一シリーズが「栞子さんと〜」で統一されていたように。
そこで非常に気になるのが,本作は「誰の視点が書かれるのか?」ということです。
といいますのも,「扉子と不思議な客人たち」では,
「栞子や大輔が扉子に対して,本にまつわる過去の出来事を話して聞かせる」
という手法をとっていたからです。
Amazonの説明書きを見ると,以下のように書かれています。
ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは,この世に存在していないはずの本――横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。
どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは,元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち,半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。
深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は,長い時を超え,やがて事の真相を紡ぎ始める――。
つまり,第一シリーズ同様,ビブリア古書堂を舞台に,古書堂の人間が謎を解明していく…という展開になりそうです。
ここで問題が…。
「その謎を解明するのは一体誰?」
前作では,6歳になった「扉子」が,栞子さんに本にまつわる話をねだる…という展開でした。
本作では時間を進め,扉子が更に成長した時期を描くのか?
そうであれば,当然主役は「扉子」ということになります。
それとも,「扉子が6歳」という設定は変えずに,栞子さんや大輔が謎を解明し,それに扉子が関わっていくという構図を取るのか?
そうであれば,あくまでも主役は「栞子さん」ということになりそうです。
さて,これは結構大きな問題です。
「ビブリア古書堂シリーズ = 栞子さん」
というのは,我々にしっかりと植え付けられたイメージとして存在しています。
そのイメージを覆すような展開になるのか,それとも,従来通りのスタイルを貫くのか…?
当然謎解きのストーリーは気になりますが,私は物語の設定そのものが気になって仕方がありません。
いや〜,早く読みたい!