Macの「ARM化」が一気に進む?
WWDC2020が6/22から開かれるわけですが,ここに来て今年の主役が「ARM Mac」になりそうな予感がプンプンとし出しましたね。
元々がOS系が主役となるはずのWWDCですが,昨年のWWDCではiPadOSの発表やMacOSとiOSとの連携強化等,これまでにないほどの「OSのWWDC」という意味合いの強さを感じました(その分MacOS等の不具合も多い印象でしたが…)。
もちろん今年も各OSのアップデート情報はあるでしょうが昨年ほどのビッグチェンジはもはやあり得ません。
新型iMac,「AirTags」,「AirPods Studio」,「AirPower」等の発表の噂もありますので,思っている以上に「新製品の発表」の色が濃くなるのかもしれませんね。
そして…。
「ARM Macの開発発表」が行われるというリークがもたらされた後の情報を見ていると,何だか単なる「製品発表」というよりも,
「今後のMacに関するビジョンを宣言する」
という,Appleの戦略発表の場という意味合いが強くなっているように感じます。
そんな中,「ARM完全移行のロードマップ」に関する記事が来ています。
非常に興味深く,今回の「発表」が,歴史的な意味をもつほどに重要なものになるのでは…と感じさせてくれます。
現在は4段階中の「第3段階」
記事によると,
著名リーカーのFudge(@choco_bit)氏が,Redditにて,AppleデバイスのARM完全移行のロードマップを4段階にわけて予想・解説している。同氏は,ARMアーキテクチャへの完全移行は2025年に完了すると予想している
とのことです。
Fudge氏が言う「4段階」とは,以下の通り。
・第1段階:2014、15年~2017年「T1チップ搭載によるARM移行の開始」
・第2段階:2018年~現在「T2チップによる制御範囲の拡大」
・第3段階:現在~2022年から2023年にかけて「ARM搭載Macの登場」
・最終段階:2024年以降「GPU、システムコントローラについては未知数」
来年初めにもついに「製品化」されるという現在は,正に「第3段階」だと言えるでしょう。
意外だったのは,「Tチップ」の導入が,ARM化の初期段階だったということです。「技術の統合」に向けた動きは,一見関係ないように見えるところにヒントが隠されているということで,大変興味深いですね。
Fudge氏は,ARM Macの初号機は,「12インチMacBook」という形で登場するのでは…と語っています。これは本ブログのこれまでの予想と一致します。
さらに,
ARM搭載MacBook登場以降、他のMacデバイスも2022年から2023年にかけてIntelプロセッサからARMプロセッサに移行していくはず
と考えているようで,「初号機」の発売を皮切りに,思ったよりも早く「MacのARM化」が進んでいきそうです。
「高性能機」の対応は間に合うのか?
そこで気になるのが,
「MacBook Pro,iMac,Mac Proという,高性能機へのチップ対応は間に合うのか?」
ということに尽きます。
いくらAチップが高性能だからといって,重い負荷のかかるPCで行われるような作業をこなすことは容易ではないでしょう。
むしろ,もしそれをAチップがこなせるようであれば,Intel,AMDといったメーカーの存在意義が問われることになりますし…。
様々なアプリ・周辺機器との互換性,GPUの自社開発等,その他にも課題は山盛りなはずですので,今回のWWDCで,一体どの程度までAppleが具体的な話をしてくれるかに注目ですね。