Mac ProでのParallels運用は?
Mac Proを導入してのファーストインプレッションをお届けしています。
前回は,これまで日常的に使用してきたアプリにおけるMac Proの影響力に関する第1弾でしたが,今回は第2弾として,仮想化アプリ「Parallels」に関するファーストインプレッションです。
前機種であるiMac(2019)で,かなり快適に使用できていたParallelsですが,やはり仮想化の限界を感じることもありました。
さて,Mac Proではどの程度の快適度アップが見込めるのか?
「Pro Edition」へのアップグレードを前提として
まずもって,今回Mac Proを導入するにあたり,Parallelsをこれまでの「Standard Edition」から「Pro Edition」へとアップグレードすることにしました。
「Standard」と「Pro」の大きな違いは,仮想化に割り振ることのできる「CPUのコア数」と「メモリ量」の違いです。
StandardではもCPU,メモリそれぞれ「4Core」「8GB」が上限なのに対し,Proでは,「32Core」「128GB」へと大きく自由度が増すのです。
せっかく「24Core48スレッド」のCPUと,「192GB」のメインメモリを搭載したからには,「Pro Edition」を試さないわけにはいきません。
Parallelsの設定画面で,以下のように設定変更できるわけですが,今回は,メインメモリは「64GB」で決定した後,CPUのコア数割り当てで非常に興味深い結果がでました。
当然,
「割り当てるCPUのCore数が多ければ,仮想化のWindowsが快適に動作するだろう」
と考え,そのような設定にすると,何と,
「Windowsの起動も,ソフトの動作も,とんでもなく緩慢になってしまった」
のです。
なんだか,Core数を増やしたことで,多数のCoreに作業を割り振っているうちに時間だけがどんどん過ぎて行ってしまっているかのようなもたもた感…。
総数「48Core」あるXeonですし,Mac側では何も作業を行わない状況で試しているわけで,Mac側の負担が大きくなりすぎているということではないと思われます。
ということは,Parallels側が,あまりに大量のCoreを割り当てられることでキャパオーバーになってしまったとしか考えられません。
ここで,上記画像にもあるように,デフォルトの「推奨Core数」が「2」になっていることが妙に気になり出しました。この推奨「2」は,Standard EditionでもPro Editionでも変わらない数値。いくらPro Editionにしたところで,CPUCore数の割り当てにおいてはメリットがないのかもしれません。
どうせだったら,Parallelsにがんばってもらい,せっかくのXeonのよさを引き出すようなつくりにしてもらいたいところです。
ソフトの動作は明らかに快適に!
実際のソフトの動きに関しては,iMac(2019)よりも格段に快適になっています。
文書作成等で,Macに対応していない「一太郎」「花子」を使用するのですが,これまでのiMacでは,どうしても一つ一つの工程で引っかかりのような動きがほんの僅か存在していました。特別サイズが大きくない画像の位置調整や拡大・縮小などの作業でも,Windows機での作業に比べるとほんの僅か反応が遅れるのです。
それが,Mac ProでのParallelsでは感じられなくなりました。
また,大きく違いを感じたのは,パチンコ・パチスロのオンラインゲーム「777Town」の動作です。
iMacでは,高負荷がかかる機種や,派手な演出が描画されるような場面において,スロットのリール回転がカクついたり,ひどいときにはコマ送りのような状況になって,快適に遊ぶには非常に厳しい状況でした。
こんな時には,マシンにも相当負荷がかかっているのか,iMacのファンがうなりを上げて回転します。
これまでは,
「これが仮想化の限界か?」
と諦めていたのですが,Mac Proではこれらの不満が全て解消しました。
負荷がかかるような機種の派手な演出時でも,リールのカクつきや,演出映像の遅れ等の気になるところは皆無。狙った絵柄をしっかりと停止させることができます。
しかも,Mac Pro本体は実に静かに動作。殆どファンの音も聞こえませんし,それほど発熱しているようにも感じません。これらのMac Pro本体の状況に関しては,後ほどまとめたいと思っています。
というわけで,CPUCore数やメモリ量に関しては,これから色々と試す必要があるようですが,Mac ProでのParallels運用は実に快適。余程重い作業を任せない限り,Windows機との違いを感じずに動作させることができそうです。
いや〜,これは本当によかった!
次回は,「Pro Display XDR」の映りに関して…。