海外メディアが「iPad Pro Max」の必要性を説く
先日は,有名リーカーのプロッサー氏も,
「新型iPad Proは3月に登場する」
と明言したことで,いよいよ性能的にもダントツに「フラッグシップ」となるiPad Proが登場しそうです。
これまでの2020年iPad Pro(12.9インチ)は,搭載されているチップが2018年型のものと基本的には変わらない「A12Z」だったわけで,現行iPad Airの「A14Bionic」に性能的に劣っている部分もあったわけです。
恐らくは,性能的に相当のジャンプアップされることと予想しています。
反面,初の「MiniLED搭載」という売りはあるものの,筐体デザインを含めその他の機能的部分においては「据え置き」という予想が大半を占めていますね。
そんな中…。
海外のメディアが,現行Proよりもディスプレイサイズを拡大した「iPad Pro Max」の必要性を訴えています。
「Macの代わり」という思考はやめにしたら?
記事によると,
Apple製品の情報サイトCult of Macが,AppleはiPadの次のステップとして,15インチiPad Pro Maxを作るべきだと提案している
ということです。
この記事の主張とすれば,
・15インチのディスプレイサイズがあれば,マルチ画面での表示・編集がより快適になる
・MacBook系を持ち出すよりも,キーボードがない分だけ軽くなる
ということのようです。
また,現行iPad Proで依然残っている外部出力等の制限をなくし,ポート数なども含めてMac並にしていくことや,搭載チップの強化,ストレージの増強などを含め,「これまでのiPadとは差別化されるiPad」とするべき…と主張しています。
考え方は理解できます。
ディスプレイサイズが大きくなれば,当然快適性は向上するでしょう。
また,使い勝手の面で,「Macでできることに近づけよう」というコンセプトの基,ポートのUSB-C化を図って周辺機器との接続も随分とできるようになってきた現行のiPad Proですが,どうしても今ひとつかゆいところに手が届かない状況ですので,この部分の溝を埋めることは今後重要になってくるでしょう。
また,それらの機能・動作を保証するために,Mac並のチップを搭載したり,ストレージを増やすことも結構なことだと思います。
しかし…。
この記事の考え方の根幹に,未だに,
「iPadをMacの代わりにして…」
という考え方があるように思えてなりません。
だって,「キーボードがない分軽くなるので,MacBookを持ち出さなくてもいい…」
と主張しているのですから。
本ブログでは,これまでも,
「MacとiPadとでは,コンセプトが全く異なる」
ということを重ねて主張してきました。
MacBookはあくまでもキーボードが付属したPCであり,そこに絶妙なTrack Padが付属することでタッチディスプレイを必要としない使用感を生んできました。当然マルチウインドウでの操作も自由自在。多数のタスクを一台でこなしたり,豊富な文字情報を駆使したりするのに適しています。
しかしiPadはあくまでもタブレット。もちろん付属のキーボード等も誕生してますが,基本はディスプレイ1枚で勝負するデバイスです。そして,中心となるのがタッチによる入力や操作であり,ここにApple Pencilという魔法が加わることで,Macにはできない直接入力に特化したデバイスとなりました。当然ビューアーとしてもMacよりも有利ですね。
ですから…。
iPadの画面大型化や,性能向上を議論すること非常に有意義だと思いますが,それが「iPadのMac化」と同義できないことを,しっかりと認識して論じるべきだと考えます。
「Magic Keyboard」の不人気を考える
昨年,鳴り物入りで発売された,新型「Magic Keyboard」を「使わなくなった」とするレビューが散見されます。
私のよく見る「Appleが大好きなんだよ」さんの動画でも同様でした。
結局,文字入力するならMac…となってしまうのです。
Macがない場合のその場しのぎだっり,出先でメモ程度を書き自宅のMacで仕上げる…といった「繋ぎ」の用途であれば十分かもしれませんが,それをするためにわざわざiPadの重量を増やしてキーボードを持ち出す…というのも本末転倒のような気もします。
最初からMacを持ち出せばいいわけで…。
この「Magic Keyboardの不人気」も,前述した「iPadはMacにはなり得ない」ということの証明のような気もします。
Appleとすれば,これでいいのです。無理にiPadとMacを近づけなくても…。
Windowsは,PCにタッチディスプレイを積極的に導入し,「一台で全てこなせる」ことを売りにしています。それはそれでいいでしょう。
しかし,一台でこなす必要が無いのであれば,「専用機」ともいえる別デバイスで作業をこなすことができればそれが最も幸せになれるはずです。これはもうユーザーの「使い方」に関わることですので,デバイスどうこうではなくなりますね。
iPadは,タブレットである故のメリットを最大限に探っていく進化をすればいいのです。
その上で,
「iPadで作業したデータをMacに送る」
「iPad時用の画像をディスプレイに表示させる」
「iPadとMacの双方向で作業する」
等,Macや周辺機器との「機能連携の強化」を探っていくのが「吉」なのではないでしょうか?
そうすることで,「タブレットのよさ」を見失わないAppleの姿勢が再評価されることになるのだと考えます。