半導体不足の影響,どこまで?
自動車生産が止まってしまうメーカーが出るくらいの勢いで広がっている世界の半導体不足。かなり深刻。
やっかいなのは,一部の産業だけ…という限定的な事柄ではなく,全ての製造業に影響が出ているということです。一つがダメなら全てダメ…。PCやスマートホン業界にまで深刻な波が押し寄せているようです。
これまでは,
「iPhone13に搭載されるA15チップに関しては,TSMCからの供給に問題が無い」
ということで,いくらか安心していた部分がありましたが,どうやらそれ以外の部品供給に関しては,安穏としていられない状況のようです!
MacBook,iPadは半導体不足の影響を受ける?
記事によると,
MacBookとiPadの製造に、半導体不足による遅れが生じていると、Nikkei Asiaが報じている
ということです。
具体的にいえば,
〇MacBookではプリント基板への部品実装に遅れが生じている
〇iPadにおいてディスプレイとディスプレイ関連部品が不足していることで,最終製品への組み立てが遅れている
とのこと…。
特にiPadに関しては,これまでのことが今回の報告と繋がってきますね。
まずもって,「3月発売」と噂されていた時点でリークされた,「2月後半になってようやくMiniLEDの生産が始まった」という情報。
当時の記事にも書きましたが,当然「本当に3月に発売できるの?」という疑問が湧き,案の定,発売が延期になりました。
今回の「ディスプレイとディスプレイ関連部品が不足している」という情報とぴったり重なります。つまり,組み立てラインは稼働できる状態であるが,組み立てるための部品が集まらない…ということなのでしょう。
iPad Proに関しては,「4月発売」という噂が強そうですが,MacBookに関しては,今後発売されるであろうMacBookPro14/16インチの登場時期も心配です。
iPhoneも安泰ではない!
このように,Appleといえども怪しい状況になりつつある訳ですが,何故かiPhoneだけは「影響を受けない」という記事を多く見かけますね。
これ,TSMCがAppleのA15を優先的に生産するということから来ているようなのですが,Aチップだけあっても,その他の半導体関連部品が集まらなくては製品を組み立てることはできないわけで…。
今後ますます状況が逼迫するようであれば,さすがに「iPhoneだけは大丈夫」といってもいられないことになるのではないでしょうか?
また,新製品だけではなく,現行品の供給にもほころびが見え始めています。
無印iPadなどは,「1ヶ月待ち」の状態。
iPad AirやMacBook Airも「即納」ではなく,1週間は待たされる状態になっています。
このような傾向が全ての機種に波及するのであれば,「すぐに手に入れたい」という事情があるユーザーにとっては非常に厳しいことになるでしょうし,Appleからしても,「売り時」を迎えているのに売るものがない…という,大変もったいないことになってしまいます。
しかし…。
どうも世界的な情勢を鑑みるに,近いうちに改善される…という状態ではないようですね。
Appleとすれば,主力のiPhoneを中心に,今後はAppleSilicon Macの発表・発売も控えています。
いかにして半導体不足の影響を最低限に抑えるか…が,今年後半における企業のちえの絞りどころとなりそうです。