「M1 Pro」「M1 Max」の真の実力やいかに?
新型MacBook Pro14/16インチのレビュー記事が続々と登場しています。
総じて、新型Macの高性能ぶりを伝えているのですが、比較対象が「M1」搭載Macであることが多く、「それ以上」の機種との比較情報が少ないことで、もう少し状況を見極めたい…という思いを強くしているところです。
まあ、「M1搭載Mac」自体が驚きのパフォーマンスとして評価されていますので、多くのレビュアーの方々が、
「余程でなければM1で十分!」
と評価するのも分かります。
健在Mac Proを利用して自己満足に浸っている私としては、特に「M1 Max」にそれなりの性能を発揮してもらい、今後は「Mac Mini」の上位版を乗り換えていく展開を狙っています。それだけに、「M1 Max」の真の実力が知りたいのです。
錯綜する情報
各種動画などを観ると、GPUに関しては、「M1 MaxはM1の2倍程度の性能」とするものが多いようです。
各種ベンチマークのGPU数値が2倍弱、動画書き出し時間が1/2…という結果が殆どかと。
しかし、ベンチマークの種類によって性能にばらつきが見られたり、使用するアプリによって超高性能ぶりを発揮することがあったり…と、どうも真の実力が見えづらいチップであるようにも感じます。
また、「Appleが大好きなんだよ」さんの動画では、Mac Pro(16CoreCPU・Radeon Pro W5700X)とM1 Pro最安モデルと比較がされており、非常に参考になります。
「M1 Pro」の最下位モデルではありますが、以下のようにProRes422の書き出しでは、Mac Proを凌駕する部分もあったとのこと。
これ、M1 Pro・M1 Maxが、ProRes専用エンジンを搭載してることも影響しているようですね。でもなあ、ProResはファイルが巨大すぎますし、汎用性の点からもそんなに使うとは思えないのですが…。
一般的なH.264書き出しではMac Proの優位性が見て取れます。ただ、FinalCutPro自体、レンダリングは非常に高速ですが、書き出しには時間がかかる…という傾向があるようで、書き出しにおいてはMac Proも「爆速」という感じてもありません。
「M1 Pro」でこの結果。
では、「M1 Max」ではどうなるでしょう?
16CoreMac Proを超えてくる可能性も十分にあるように感じます。なるべく早く、どの部分で強く、どの部分で弱い…という総合的な評価が定まることを望みます。
新型Mac Proは? チップの進化ごとにアプリの最適化が必要なの?
現時点で素朴な疑問が2つ。
一つ目。
先日、「Pixelmator Pro 2.2」がリリースされ、 「macOS Monterey」やM1 Pro/M1 Maxチップに対応した…という報道がありました。
前掲のゲーム性能を確かめた記事内にも、「ゲーム側での最適化が進めば性能向上の余地があるのかも」という文言がありましたが、Apple Siliconにおいては、チップが新しくなるごとにアプリ側の対応が求められるものなのでしょうか?
これまでの感覚だと、「OS」のアップデートに応じたアプリ側の対応は日常的にあるものの、チップ対応となるとあまり聴いたことがありません。
「M1」登場時は、それまでのx86からの移行ということもあり、アプリ対応が話題となりましたが、「M1→M1 Pro・Max」への移行でもそれが必要ということであれば、対応・未対応の確認も含めて、ユーザーも気を遣うことになりそう…。
Apple Silicon自体の歴史が浅いこともあり、アプリ側も少しずつ改良していく必要がある時期…ということであればいいのですが、今後もチップ進化とアプリアップデートが必須なのであれば、なかなかに窮屈なことになりそうです。
二つ目。
今後のハイエンドMacの性能に関して。
以前の情報で、Mac Proに搭載されるApple Siliconは、「M1X(当時の呼び名)を2組、4組と組み合わせてユニットをつくったものになる」というものがありました。
もしこの考え方で行くのであれば、単純にGPU性能がM1 Maxの2倍、4倍になる…と考えられそうです。
M1 MaxのMetal数値が「68,000」程度ですので、その2倍、4倍…。
4倍ともなると、現行Mac Pro最強の「Radeon Pro W6900X」を軽く凌駕するスコアになりそうです。
これが現行のMac Proの価格に対してどの程度安く出てくるのか?
高価になったのではApple Siliconのメリットも薄まりそうですが…。
さらに、iMac27インチ後継機搭載のチップが、「M1 Max」止まりなのか、それ以上のものになるか…という点ね含め、AppleがApple Siliconにどの程度のパワーを与えようとしているのかということが気になります。