「M1 Pro」で十分…は本当か?
MacBookPro14/16インチが発売され、レビューが続々と登場する中で強まっているのが、
「通常であればM1で十分」
「M1 Maxは明らかにオーバースペックであり、M1 Proの下位モデルで十分」
という意見です。
確かに、M1搭載Macのこれまでの優れた性能レビューを考えると、M1 ProやM1 Maxは価格に釣り合わない…という考え方もできるでしょう。
しかし…。
本当にProやMaxの性能は必要ないのか?…という疑問は残ります。特にグラフィック性能について…。
というのも、私が以前使用していたMacBook Pro13インチ(Late 2016)では、恐らくはグラフィック性能不足による5Kモニタ(LG UltraFine 5K Display)でのトラブルや、Windowsの仮想化環境でのトラブルが多発しました。
更に、外付けの外部GPUとの相性問題等もあり、ノートタイプとのクラムシェルモードでの利用を諦め、iMacに乗り換えた…という過去があります。
この時点で、私としては、特にグラフィック関係、外部ディスプレイとの接続環境などに関しては、
「Appleの推奨するスペックを信じてはいけない」
という意識が生まれました。つまり、「Apple推奨」のスペックはあくまでも最低限であり、それよりも余裕をもったシステムを組まないとまともに動作しない場合がある…ということです。
そんな中…。
M1 Pro搭載の最低構成においては、Apple公称の外部ディスプレイ接続環境において、動作が不安定になる場合がある…という事例が報告されました。
「5K×2台」でも怪しい…
AppleのHPによると、「M1 Pro」搭載Macは、
「最大2台の外部ディスプレイで最大6K解像度、60Hz、10億色以上対応」
を保証しています。
ということは、純正の「Pro Display XDR」2台の駆動が可能だということ…。
現行Mac Proの「AMD Radeon Pro W6800X」でも、Pro Display XDR3台の動作保証となっており、6Kディスプレイの2台同時利用はかなりの負担となるはず。
「M1 Pro」の最小構成で本当に大丈夫か…という思いをもってしまいます。
上の「Appleが大好きなんだよ」さんの動画では、様々なディスプレイ構成で実際に実験してくれているのですが、「Appleが…」さんはPro Display XDRは保有しておらず、LG UltraFine 5K Display×2台を活用しておられます。
動画では、「M1 Pro搭載MacBook Pro14インチ/最小構成」で2台の5Kディスプレイを利用していると、動作がカク付いたり、レインボーカーソルが頻発したりしたとのこと…。
それが気になって実験をすると、以下のようになったそうです。
ここで重要なのは、Mac側のXDRディスプレイを利用したままで接続すると、5K1台でも利用が厳しくなる…ということです。
これに対し、Mac側のディスプレイを閉じ、クラムシェルモードで利用した場合には、5Kディスプレイを2台接続し、高負荷なマルチタスク作業を行っても問題が無いということ…。
よって、新型MacBook Pro14/16インチにとっては、ProMotion機能が付属し、HDRにも対応した内蔵モニター自体が、相当な負荷を与えているということが言えるでしょう
何だったら、5Kディスプレイを駆動する以上の負荷がかかっていることが分かります。
Mac本体のディスプレイを生かしながら、高解像度のディスプレイを接続したい…と考えているユーザーにとって、これは致命的とも言える実態です
やはり「GPUCore数、メモリ量」はモリモリで行きたい!
やはりMacは、「大飯ぐらい」です。
様々な部分において、ある程度余裕のある構成にしないと、いざというときに動作が不安定になる可能性がありそうです。
だとすれば…。
やはりグラフィック性能に直結するGPUのCore数は、最大の「32」としたいと考えます。
また、「CPUとGPUでメモリ量を共有する」というAppleSilicon Macの「ユニファイドメモリ」という考え方からすると、安定した挙動のためにはメモリの量もできるだけ多く積みたいところです。こちらもできるのであれば、最大の「64GB」が望ましいかと…。
「Appleが大好きなんだよ」さんのMac構成が、
「8コアCPU/14コアGPU/16GBユニファイドメモリ」
であることを考えると、
「M1 Proで十分」
とは一概に言えないのでは…という思いが強くなりました。
また、搭載ディスプレイの負担が大きいということであれば、ますます「新型Mac Mini」が魅力的に思えてきます。
2022年の春まで出ないのかな…?
待ちきれない思いです。