デジカメシェア 異変あり!
毎月のように、カメラ量販店での販売ランキング情報を目にします。
デジタル一眼の分野においては、SONYが非常に強い状況がしばらく続いていましたが、2020年夏にCanon「R5」「R6」が登場したあたりから風向きが微妙に変わりだし、そのR5・R6の供給体制が整ってきた2021年においては、量販店の販売トップ10の中でのCanonの地位が向上してきた印象があります。
そんな中、カメラ販売シェアに大きな動きがあったことを伝える記事を見かけました。
SONY急落の原因は?
「供給不足」が各社の悩み
記事によると、
ソニーは7月から一気に販売台数シェアを伸ばしていましたが、9月から急落していて、その分、キヤノンにシェアを持っていかれているようだ
ということです。
記事内のグラフがこちら。
確かに、8・9月と急速に回復していたSONYのシェアが、ここに来て急落に転じていますね。記事内では人気のZV-E10やα6400の「救急不足」だとしています。
まあ、この資料を見ると、そもそも2021年に入ってからのCanonの堅調ぶりが際立ちますね。前述したEOS R5/R6の供給が落ち着いてきたのが非常に大きいのでしょう。これまではSONYの後塵を拝してきた印象が強いので、2021年に関しては完全に息を吹き返した…と言えるのかもしれません。
Canonとしては、先日発売されたEOS R3の他、今後もフルサイズミラーレスの廉価版、R3の更に上の機種の存在も当然予想されますので、勢いそのままで行くことができれば、かつての栄光を取り戻すきっかけになるかもしれません。
しかし、SONYも供給状態が落ち着いてくれば一気にランキングを独占…という可能性を秘めているわけで、「2強」の争いの行方が非常に気になる2022年になりそうです。
それにしても…
最近では、カメラでもレンズでも、新製品が投入されるやいなや、「お届け日遅延のお知らせ」をメーカーが発表するのが恒例行事のようになっています。
カメラ本体も厳しいのですが、特に新作でもないレンズまでもが納入待ちとなるケースが多く、業界全体が「チャンスを逸している…」と感じることが少なくありません。
世界中を巻き込む「半導体不足」は、いったいいつ解決の糸口が見つかるのでしょうか?
そもそもカメラ業界が泥沼に…
今回のカメラシェアの情報は、元を正せば以下の記事によるもののようです。
この記事の中では、コロナ禍が様々な家電業界にどのような影響を及ぼしたかを包括的にまとめたものです。
そして、その結果が以下のようなもの…。
同じ「カメラ」でも、テレビ会議用と思われる「PCカメラ」は爆発的に売れましたが、「デジカメ」は目を覆いたくなるような凋落ぶりを示しています。
以前と比べて「半減」ともいえる縮小ぶり。
本ブログでは、これまでもスマホにおされ、一眼を必要としない層が波を打ったように離れてしまっている様子を心配してきました。もはやこの業界は「高いカメラやレンズ」が主流のニッチなものに変わりつつあると考えます。
ということで、「Canonが〜」とか「SONYが〜」とか、本来であれば小さいこと。業界全体が、自分たちの存亡をかけて今後の施策を考えていかなくてはならない時代になってきたのです。
以前に、今後無くなる可能性のあるカメラマウント…という記事を書きました。
「Z9」の記録的な受注で湧いているNikonですが、実はかなり危険な状況。それは前掲の「カメラシェア」のグラフからも容易に想像できます。もはや以前の「3強」から脱落した…という見方もできるでしょう。
Nikonだけではなく、何とか互いに手を組みながら、業界全体を盛り上げていくよう施策も必要なのかもしれません。
手軽さは当然スマホですが、写りは確実に一眼の圧勝です。
現在は、プリンターの描写力も素晴らしくなっていますので、「より美しくとりたい…」という思いを抱かせるような戦略を業界全体で考えてもらいたいものです。