iPhone14シリーズで中国サプライヤー急伸の矛盾
iPhone14シリーズが近づいてきております。
今年は、特に日本においては「価格」というものがクローズアップされそうですね。
これまでもiPhoneといえば高級機だったわけですが、今年に関しては「iPhoneそのものの価格が100ドルアップ」と囁かれておりますし、「為替レートが変わって円安の影響を大きく受ける」という弊害もあります。
15万円以上が当たり前…という状態になってしまいそうで、精神的も「危険センサー」が点灯しているところです。
それはさておき…。
iPhone14シリーズ量産に関しては、ディスプレイの供給不足の噂がかなり以前から存在し、特に「無印iPhone14 Max」に関して9月の発売に間に合うのか?…という心配も未だくすぶっているようです。
その「部品調達」「量産」ということを考えたときに、ひとつの国に生産拠点を集中させることに関してはかなり以前から警鐘が鳴らされていました。
Appleに関しては中国との関係性が深く、今年の上海ロックダウンにおいては大きな打撃を受けました。
これにより、他の国への拠点分散の重要性が再注目されていたのですが、この度、iPhone14シリーズにおいて中国サプライヤーの躍進が続いている…という記事が来ています。
コストと技術力との葛藤
記事によると、
アナリストのミンチー・クオ氏が、SG Microの電源管理IC(PMIC)がAppleのハイエンド製品向けとして初採用、iPhone14シリーズに搭載されると伝えた
ということです。
これまでは部品調達の「下請け」だった企業が「一次契約先企業」に「格上げ」された…ということのようです。
最近であれば、それまでSamsung、LGに占有されていたOLEDに関して中国「BOE」が受注し始めたということが話題になっていました。
今回の記事では、中国サプライヤーの技術力向上により、委託先の再編成が行われている…ということで、「部品供給先の分散化」と「価格低下」というメリットが取り上げられています。
しかし…。
「分散化」された先が「中国」というのが非常に気になります。
「技術力向上」という観点で見れば、当然今後も中国の躍進が予想されるわけで、
「企業の一極集中化は避けられるかもしれないが、供給元の中国への一国化という新たな火種を抱え込む」
ことに繋がってしまうことが考えられます。
今回のロックダウンのような「有事」の際、多くの部品が生産されない、出荷されない…という自体になりはしないでしょうか?
今後も、アメリカと中国という政治体制が真逆な両国では、大きな摩擦が発生することも考えられますし、あまりに中国を頼ってしまうのは非常に危険かと…。
コストと技術力とを照らし合わせると、正に現在の中国は「旬」なのだとは思いますが、あまりに危険な賭けのようにも感じます。
サプライヤーの分散と生産国の分散…。
相容れるようで矛盾も生じる現在の生産体制と言えるのかもしれません。