エイジング20時間での中間音質評価…
センハイザーの「MOMENTUM 4 Wireless」をレビューしております。
ここまで、「スタイリング、ペアリンク編」「音質ファーストインプレッション編」「ノイズキャンセリング、外音取り込み編」をお届けしました。
そして、いよいよ音質評価の第一段です。
「第一段」としているということは、まだ最終的な判断がついていない…ということ。
ただし、音質の変化がないのであればここで最終評価をすることになりますので、もうすでに、
「エイジングでの変化があった」
ということはお分かりいただけるかと思います。
そして…。
音質のファーストインプレッション編でも書きましたとおり、音質の第一印象はよろしくありませんでした。
音がダマになって聴こえ、先代の「MOMENTUM Wireless3」最大の売りであったはずの「音場の広さ」がなくなっていたのです。
しかし、これも前の記事に書きましたが、先代もエージングがある程度進む前は同様の傾向があったため、「エイジングの効果あり」に掛けてありました。
さて、エイジング20時間での変化とは?
音の分離は進んだが…
まずもって感じるのは、「音の分離が進んだ」ということです。
取って出しの時には中央付近に固まっていた音が、それぞれの住処へと移動し始めた印象。
特に大きいのは、「ボーカル帯」である中音域の分離が進み、ボーカルが明確に聴き取れるようになってきたことです。
当初はとにかく埋もれていたのです。
ただし…。
先代「MOMENTUM Wireless3」で本当に「劇的」に進んだと感じただけのすっきり感はありません。残念ながら…。
ある程度の分離は進んだのですが、一定のところで「停滞してしまっている」感が強いのです。
その結果…。
先代であれほど広大であった「音場」に大きな不満が残ったままです。
しかし、他のメーカー、他製品と比較して「狭い」というわけではないと思われます。それなりの広さは表現できていると…。
ただ、先代のイメージが強く、その点に大きな魅力を感じていた私としては、どうしても不満を感じてしまう…ということ。
まあ、「好みの問題」だと言われれば返す言葉がありません。恐らくは、現時点で求められている方向にゼンハイザーが近づいたのかな…と。
SONY「WH-1000XM5」と音場の感覚は非常によく似ているのです。
ただ…。
左右はそこそこに広がっているものの、奥行き感が足りません。
そのため、ボーカル帯が中音付近に「べたっと貼り付いている感じ」の音になってしまい、音の広がりが感じられないのです。
この「立体感のなさ」は、先代のよさであった艶のある音作りを消してしまっているように感じさせる要因伴っているようです。
20時間を経過してこの傾向が固まりつつあるということは、これが本機の求める音作りなのかな…と思わざるを得なくなってきいる感じです。
「MOMENTUM 4 Wireless」の音がダメ…というわけではなく、先代「MOMENTUM Wireless3」も音の厚みや高音の歪み等の弱点もあるため、非常に迷ってしまう現状となっています。
Android「aptX Adaptive」とiPhone「AAC」の音質比較でも異変が…
そして…。
この悩みの拍車を掛けているのがコーデックとイヤホンの相性問題。
iPhoneは現状「AAC止まり」であることから、お安めのAndroid機を「aptX Adaptive」を再生できるDAPとして購入した…ということは先日お伝えしました。
そして、思惑通りであれば「aptX Adaptive」で聞いた方が無条件で優れている…となるのでしょうが、話はそう簡単ではありませんでした。
ここにライバルである「WH-1000XM5」の影もちらついて…と、最近になく悩みが深くなってしまっております。
次回は、「MOMENTUM 4 Wireless」の音質をもう少し掘り下げるとともに、他の要因との絡みについてもう少し書かせてていただきます。