気になる「RF28-70mm F2L USM」の解像度
「RF28-70mm F2L USM」のレビューをしております。
「RF35mm F1.2L」がいつまで経っても出てこないので…という理由で購入を決めた「RF28-70mm F2L USM」ですが、逆に言えば、CanonRFシステムの始まりと同時に世に出ていたこのレンズをここまで購入しなかったのは、ただ高価だから…という理由だけではありません。
その写りに限界があるのでは…という思いが強かったからです。
もちろん、「L単」が最も描写的な優れていることは承知の上ですが、
「RF24-70mm F2.8L IS USMとの性能差にどれだけの差があるのか?」
という点に関して疑問を感じていた…というのが大きいですね。
どういうことかというと、このこの「RF28-70mm F2L USM」、確かに描写としては並単レンズを大きく超えるものの、
「ワイ端側の描写性能が弱く、望遠端が強い」
という傾向があって、
「ワイ端側ではRF24-70mm F2.8L IS USMの描写が優れているのでは?」
というYouTubeでのレビュー動画があったのです。
これが本当だとすれば、私の使用環境では、望遠端で言えば「50mm L1.2」「70-200 L2.8」でカバーできる面もあるわけで、私の狙いであるワイド側「35mm」程度の描写が弱いのであれば、わざわざ買い増しする意味も無いかな…(35mm L1.2を待ってもいいかな…)という気持ちになってしまっておりました。
しかし、「全域にわたって素晴らしい描写」というレビューも多く、
「28mmは弱くても、35mmでは改善されるかも…」
というように考え直しての今回の購入となりました。
「賭け」でしかありませんが…。
というわけで、恐る恐る部屋の中での簡易実験をして見ることに…。
ワイド側も優秀じゃん!
結論から言えば、ワイド側も優秀でした!
完全に心配は杞憂に終わりました。
試し撮りしたのは、部屋の書棚です。
素人のしかも簡易的な実験ですので、どこまで正確かは分かりませんが、個人的にははっきりとした差異が認められましたので共有させていただきます。
以下の画像は全て、左が「RF28-70mm F2L USM」、右が「RF24-70mm F2.8L IS USM」となります。
掲載する画像は縮小されているため、分かりづらいかもしれませんが、モニター上でじっくりと観察した結果を補足として添えさせていただきます。
①28㎜「2.0」、24㎜「2.8」の画面右端描写
まず最初に、「開放」の画像右端の描写です。
両方とも、最ワイ端で撮影し、画面右端(垣根涼介さんの"涅槃"の帯部分)にピントを合わせ、それを切り出したのが下の画像。
絞りの違いがあり、「RF28-70mm F2L USM」のボケ量が多くなっていますが、ピント部の描写は互角か?
しかし、色のりに関してはやや28-70が優秀なように見えます(この傾向、全域ではっきりと認められました)。
この画角の画面端の画質が最も気になっていたわけですが、28-70が劣っている兆候は認められません。
左右の上下隅に関しても24-70と互角かそれ以上の結果であり、
「開放の隅の画質がこれだけ担保されるのであれば、安心して使用できる!」
という結果となりました。
②28mm「2.8」
今度は、絞りを「2.8」に揃え、画角も28mm相当同士にして比較です。こちらも①同様の切り出し画像となります。
今度は明らかに「RF28-70mm F2L USM」の勝ちです。
24-70は全体が少し流れている感じがするのですが、RF28-70mm F2L USMはピシッと引き締まっており、色のりも優秀。
24-70は薄いベールがかかっているように感じます。
同条件ではワイ端側でもRF28-70mm F2L USMの方が相当に優秀だということが分かりました。
最大の懸念材料を払拭!
まずもって、「ワイ端開放」における画面隅の画像が劣る…ということがないことが分かりました。
また、RF28-70mm F2L USMにおいては、
「開放でも十分勝負になるが、一段絞ると更によくなる」
ということも明らかに。
YouTubeの検証動画では結構な差で24-70の後塵を拝しているようなものがあったのですが、個体差なのか、途中での隠れマイナーアップデートのようなものがあったのか?
いずれにせよ、ここをクリアできたのは大きい!
これより狭い画角では「圧勝」の予感しかしません。
次回は本題の「35mm」帯と、望遠端の画質を検証します。