Apple「M2チップ」の製造を一時中止していた?
Appleは、「M2 Pro/Max」搭載のMacPro、Mac miniを今年の1月という異例のタイミングで発表しました。本来は昨年度中に登場していたはずのモデル…という説もありますが、次世代「3nmプロセスルール」で製造されるチップに向け、準備は進んでいるようです。
マイナーアップバージョンとはいえ新型Macが登場したわけですので、ある程度Mac市場は盛り上がっているのでは?…と考えていたのですが、意外な情報が寄せられています。
Appleは「M2チップ」の製造を一時休止していた?
果たしてその理由は?
記事によると、
韓国メディアThe Elecの報道によれば、TSMCは今年1月と2月に製造したM2を後工程となるパッケージングからテストまで請け負う製造業者(OSAT:Outsourced Semiconductor Assembly and Test)に委託しなかった
ということです。
結局、TSMCでの製造は行われたものの、それをMacに搭載して出荷する以前のパッケージングやテストが行われていないということですので、実質「製造休止」と捉えて問題ないでしょう。
これが本当だとすれば、実に意外な現象が発生していることになります。
何しろ、1〜2月に欠けて新型Macが流通し出したわけで、普通に考えればチップの製造もある程度賑わっていてもおかしくないわけですので…。
もちろん、初期に流通する新型Macに搭載されるチップ自体は前もって製造されたものなのでしょうが、それにしても「二の矢」がつげない状態であるということは、単純に「新型Macは売れてないの?」という疑念に繫がってしまいますよね。
記事中には、「M2系搭載Macの販売不振」ということを挙げていますが、その要因のひとつとして「M3発表に向けた買い控え」も影響している…という見方をしています。
ただ…。
私は3nmプロセスルールで製造されるApple Siliconの第一段は「iPhone15 Pro用のA17Bionic」であり、Mac用の「M3」は早くても今年の年末だと考えます。しかもそれは当然ProやMaxの上位チップではなくノーマルの「M3」であるはず。「M Pro/Max」の登場はまだまだ先なのに、今から買い控えなんてするものでしょうか?
また、M3はWWDCで発表という噂もありますが、Pro/Maxとの発表時期があまりも近すぎるため、これをしてしまうとますますAppleへの不信感に繫がってしまうと思います。
やはり、この時期に「M2 Pro/Max」搭載機が売れない…というのは異常事態なのではないでしょうか? 世の中のユーザーはそんなに早くM3系が登場すると考えているのでしょうか?
Apple Siliconの神通力が弱まったのではないことを祈る…
心配なのは、Macの神通力に陰りが出始めているのでは…という点です。
コロナ禍のPC特需を抜け、世のPCメーカーの販売は急降下しましたが、唯一減退しなかったのがAppleです。当然その理由が「Apple Silicon」であることは間違いないでしょう。従来の×86系のチップではないSoCチップが、ここまでの性能をたたき出すなんて誰も信じていなかったはずです。
そんな高揚感の影響もあり、売上を順調に伸ばしてきた「AppleSilicon Mac」。
今回の減少が、本格的なApple Silicon離れにつながるものでないことを祈るばかりです…。