iPhone15シリーズのOLEDディスプレイ、ついにSamsungの牙城が崩れる?
ここ数年、iPhoneのOLEDディスプレイ供給に関しては、
「Samsungの一強から脱却したいがどうもうまくいかない…」
というAppleの思惑が透けて見えていました。
具体的にいえば、
「中国のパネル製造メーカーである「BOE」により多くのOLEDディスプレイの製造をつくって欲しいが、技術的にSamsungと方を並べる段階には来ていない…」
ということです。
ここ数年は、当初BOEに割り振った生産量を供給できない…、BOE側の契約違反があってSamsungの生産が増えた…等、BOEには不利な状況が続いていました。
ところが…。
今年は一気のその立場が逆転するような大激震が起こるかもしれません。
こんなに「一気に…」なんてあり得る?
今回の記事のメインは、SamsungがBOEを特許侵害で訴えた…というものです。
しかし、その裏側に「BOEの急伸」がある…という点で非常に興味深い記事となってます。
具体的にいえば、
「Samsung DisplayがBOEを特許侵害で起訴するに至った原因は、iPhone15用OLEDディスプレイ供給割合においてBOEが70%を獲得し、Samsung Displayは30%にとどまる見通しが示されたのがきっかけ」
ということのようなのです。
まずもって、この「70対30」という数字に驚きです。
これ、Samsung側が「30」だということに大きな違和感を感じますね。
Appleが求める高品質のOLEDを供給できるのは、これまではSamsungだけ…というのが実情でした。BOEの供給率がこれまで上がらなかったのは、ひとえに「BOEの品質」によるところが大きかったわけです。
BOEはディスプレイ全体で見れば急伸しているようですが、ことiPhone用のような高い品質を求められる団になると、未だにSamsung一択だったわけです。これまでは…。
しかし、もし本当にBOEの割合が「70%」に飛躍的に伸びるのであれば、それは「BOEの製造するディスプレイの品質が上がった」ことと同義になります。
本当にこの1年でそこまでの大躍進があったのでしょうか?
ただ…。
これがもし本当だとすれば、Samsungよりもコストが安いと言われているBOEへと、Appleの視線が一気に傾くことは十分に納得できるものです。とにかくコスト管理が確りしているApple。しかも、iPhone15 Proシリーズは新型チップのコストアップ等で、価格そのものが大きく上がってしまうという懸念があります。
だとすれば、ディスプレイの価格を少しでも下げることは、Apple取って願ったり叶ったり…ということになりますね。
そして…。
このままの流れでいくとすれば、「Samsung危うし…」という展開になりかねません。
いつぞやの「SHARP」の転落ぶりを、我々日本人は目の当たりにしているのですから…。