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10月の新刊「アンと幸福」「スピノザの診察室」が楽しみ

10月の新刊「アンと幸福」「スピノザの診察室」

 先日、東野圭吾さんの新刊「あなたが誰かを殺した」のレビューを投稿しました。

 

 伏線のもたせ方に問題あり…と感じましたが、密度のある良作にはなっていると思います。

 

 また、記事にはしませんでしたが、岡崎琢磨さんの新刊「鏡の国」もなかなかの力作でした。無くなった部展覧昨夏の未発表作の中に秘められた謎を担当の編集者と遺産を継いだ姪とが紐解いていく…という展開。
 岡崎さんの悪癖である強引な謎解きはだいぶおさえられており、謎解きの過程の若干の鈍重さはありますが、ミステリーとしての出来映えはなかなかのものだと感じました。

 伏線の張り方、ラストの大どんでん返し等、今後の岡崎さんの活躍を予感させてくれるような秀作です。是非ご覧下さい。

 

 さて、コロナ禍の騒動も収束し、各作家さんの新作発表のペースも上がってくるのでは…と考えておりましたが、必ずしもそうではないようで…。この秋の新作にもっと注目作が上がってきてもいいのでは…と考えているところです。

 そんな中…。
 お気に入りの作家さん2名が、この10月に新作を発表します。

 坂本司さんの「アンと幸福」、夏川草介さんの「スピノザの診察室」です!

 

アンの転機、新たな医師の物語

「アンと幸福」

 いわずとしれた「和菓子屋のアン」シリーズの4作目です。

 紹介文には、

【累計100万部突破!「和菓子のアン」シリーズ3年ぶりの最新作、どうぞ召し上がれ。】 
「みつ屋」以外にも目が届くようになってきた今日このごろ。別れと出会いと「なんで?」を乗り越えて、アンちゃんも新しい扉を開きます。東京デパートの食品売り場から、たくさんのはじめての場所へ……。甘酸っぱい謎と和菓子の世界が、あなたをお待ちしています。 

——人の転機は十人十色。甘いお菓子で一息いれて、さあ進みましょう。

とあります。

 ということは、アンの「職場の異動」ということがテーマになるのか?
 これまで、「みつ屋」の「東京デパート店」、そしてその店舗内の人間関係を濃密に描くことでアンの成長を綴ってきたのですが、その物語のベース部分に変化があるのでしょうか?

 前作で漂っていた恋の予感の続きにも注目です。

 

「スピノザの診療室」

 「神様のカルテシリーズ」で知られる現役医師、夏川草介さんの新作は、新たな主人公が登場するようです。

 紹介文には、

雄町哲郎(おまち・てつろう)は、京都の原田病院で働く内科医である。
シングルマザーだった最愛の妹が若くして病を得、闘病の末にこの世を去った時、 1人残された甥と暮らすために、将来を嘱望された「凄腕の医師」は激務である大学病院を去り、町医者として働く決意をした。

大学で哲郎の力量に惚れ込んでいた准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して原田病院に送り込む。
当初、飄々とした哲郎に不信を抱いていた茉莉だったが、哲郎の医者としての確かな腕と哲学を目の当たりにして、次第に哲郎に尊敬の念を抱くようになる。

そんな時、花垣がボストンの世界的な学会で内視鏡技術を指導することになり、助手として哲郎を指名するが、哲郎はその申し出を固辞する。 
いつも通り、茉莉と高齢者宅を回診していた哲郎のもとに、アメリカにいる花垣から着信があった。
大学病院で治療していた少年の容態が予期せず急変し、緊急オペが必要になったが、大学に残された医者だけでは心許なく、秘密裏にその手術をサポートして欲しいと言う。
哲郎は、かつての古巣であり、今は伏魔殿とも呼ぶべき大学病院に足を踏み入れたーー。

哲郎は何を思い、どのように手術に挑むのか。物語の最後に大きな感動が待ち受ける!

とあります。

 

 コロナ禍の最中には、その生々しい奮闘ぶりをテーマに2作を仕上げた夏川さんですが、今度は新たな医師「雄町哲郎」を登場させ、医師の本分を説いていくことになりそうです。

 ちなみに、「スピノザ」とは、オランダのユダヤ系哲学者(1632〜1677)のようです。「自然の秩序を理解し,感情を統御することで至福が得られる」という考え方を説いたようで、今回の「大学病院と町医者」という立場の違いと命のやりとりについての葛藤が関係しているのかもしれません。

 

 それぞれ、「10/25」「10/27」に発売されるようで、どちらから読もうかな…と悩むところではありますが、まずはホッコリする「アンと幸福」からかな?

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