「M3 Max」≧「M1 Ultra」は現実となるのか?
先日の記事で、
「M3 Pro以上にM3 Maxの性能の伸びが目立ち、M1 Ultraに迫る(あるいはそれ以上の)性能を有するのでは?」
という予想動画を紹介しました。
その後、Geekbench6のスコアが続々と報告されており、OpenCL、Metalのスコアもちらほらと確認できるようになってきました。
あくまでも数値上ではありますが、M3チップの性能、AppleSiliconの今後の見方等が分かってきたように感じます。
焦点は、「M3 Max」と「M1 Ultra」の性能差です。
下位チップは2世代で上位チップの性能に?
記事では、最新のGeekbench6スコアを基に、これまでのMチップのスコアを比較しています。
その結果がこちら。
上がCPU、下がGPUのスコアになります。
CPUスコアに関しては、特にシングルはチップが新しくなれば伸びる分野ですので、性能差を見るとすれば「マルチ」なのですが、ここで強みを見せているのが「M3 Max」ですね。「M2 Ultra」に迫るスコアには驚いてしまいます。
ただ、個人的にこの「マルチ」が実際の使用の上でどの程度役立っているのか…ということを判断するのは難しいとも感じています。
「シングル」に関してはアプリの起動、画像編集の速度アップ等、体感できる部分が多いのですが…。バッジ処理等の負荷をかけるとメリットがあるのかな?
ただ、そもそもそれほど負荷のかからないアプリを複数立ち上げても、軽々とこなしてしまうチップ性能になってきているので、「マルチ」のありがたみをなかなか感じづらいのかも…。
ただ、問題はやはりGPUの部分なのだと思います。
動画編集、一部の画像編集アプリ(CaptureOneはCPUよりもGPUをどんどん使う印象)もゲーム分野等、高性能チップの主役はやはりGPUかと。
Macでは主に「Metal」を重視しているようですが、こちらを見ると「M3 Max」と「M1 Ultra」が殆ど同値…となっています(OpenCLも見事なまでに同じ)。
ということは…?
CPU性能に関しては、シングルもマルチも「M3 Maxの圧勝」。
GPUに関しては同等…ということです。
ちなみに、私の利用しているMac Studio(M1 Ultra/GPU48コア/64GBメモリ)という環境でのスコアは、以下の通りとなりました。
つまり、今回紹介した記事に記載されている「M1 Ultra」のGPU性能は、Mac Studioの下位バージョンと同等のスコア…ということになるでしょう。
ということは、M1 Ultraでも「GPU60コア」の上位バージョンだと、M3 MaxのGPU性能を上回りそうです。Geekbench6のデータでは、「180000」程度のスコアが見られますので、こちらが「60コア」の方か?
これらの結果から、Apple Siliconの傾向として、
「下位チップは2世代後に1つ上の上位チップと同等の性能を有するようになる」
と推測できるのではないでしょうか?
ただ、CPUは新しいチップの性能が上回りそうですので、総合的に考えると2世代後の下位チップの方が僅かに優れている…と言う結果になるのかもしれません。
なかなかに難しい性能向上ぶり…。
買い替えのタイミングをよくよく考える必要がありそうです。
性能差だけではなく、買い替え時のリセールのこともあるので…。