「10.86インチOLED搭載iPad Pro」が存在した?
3月には、OLED搭載iPad Proが登場するというのが既定路線となっているようです。Apple Watch→iPhoneときて、ついに大きいディスプレイのデバイスへの投入第一弾として登場するということで、ある意味で一つの新しい世代の始まり…ということもできるでしょう。
ただ、ここまでの経緯を振り返ると、
「ディスプレイの商品化って難しいんだな…」
と考えてしまいます。
iPhone Xに初めてOLEDが搭載されて以降、すべてのiPhoneに搭載されるに至るまでにはかなりの年数がかかりました。
大画面デバイスとなるiPad、Macに関しては、間に「miniLED」をはさみ、iPadで今年、Macでは来年以降、徐々に移行が始まる…との見方ですね。
次世代の「microLED」に至っては、いまだに搭載の見込みが立たない…というのが現実のようです。
ディスプレイの開発状況、デバイスごとのヒエラルキーの問題、コストの問題等、様々な要素が絡み合い、Appleとしても足を踏み出したくてもそれができないエリアがある…というのがこの「ディスプレイ」の世界なのでしょう。
そんな中…。
実は「10.86インチOLED搭載iPad Pro」が存在した…という記事が来ています。
ディスプレイ導入の奥深さを考えながらこの記事を読むと、開発者の苦悩が想像できると同時に、面白みも湧いてきます。
iPadのOLED化に向けた紆余曲折が面白い
記事によると、
新型iPad Proは11インチと13インチの2モデル構成になるとみられているが、本来は最初に有機EL(OLED)ディスプレイの種別が異なる10.86インチモデルが発売される予定だった模様だ
ということです。
興味深いのは、その10.86インチパネルが「1段スタック型」だったということです。
この3月に登場予定のOLEDは「2段スタック型」ということで、1段型よりも「高輝度かつ長寿命」であるとされていることもあり、おそらくAppleは、当初の「1段型」の性能に満足できず、スケジュールを遅らせてでも性能のよい「2型」の量産を待つことにした…のだと思われます。
出そうと思えば出せた1型パネルですが、それを許さないあたりに、Appleの性能に対するこだわりが見られます。
だとすれば…。
まさに「満を持して」登場する2型パネルの性能は相当のものであることが期待できますね。
ディスプレイに限らず、我々は「出る、出ない」ということのみに注目しがちですが、その「裏」を読んでみると意外な一面に気付くことができるのかもしれませんね。