住野よる最新刊「告白撃」が5月22日に発売!
ほぼ同時期に発売された「ビブリア古書堂の事件手帖IV ~扉子たちと継がれる道~」と「spring」のどちらを先に読もうか…と悩み、結局三上延さんの「ビブリア」から読むことに…。
3月はどうしても時間がとれず、恩田陸さんの「spring」まで手が回らず、これから…となります。
今後を見渡すと、4月下旬には池井戸潤さんの「俺たちの箱根駅伝」が控えており、ゴールデンウイークはじっくりと…。
などと考えているところに、「5月の予定」も入ってきました。
住野よる最新刊「告白撃」が5月22日に発売です!
住野さんの描く「アラサー」の"こじれまくりの恋と友情"に注目
住野さんの前作「恋とそれとあと全部」が2023年2月24日の発売ですので、1年3ヶ月ぶりの新刊となります。嬉しいことに「書き下ろし」ということで期待が膨らみます。
紹介文を覗くと、
親友に告白されたい。そして断りたい。大人げない〈告白大作戦〉の開幕!
三十歳を目前に婚約した千鶴は、自分への恋心を隠し続ける親友の響貴に告白させるため、秘密の計画を立てていた。願いはひとつ。彼が想いを引きずらず、前に進めるようになること。
大人のやることとは到底思えないアイディアに呆れつつも学生時代からの共通の友人・果凛が協力してくれることになったが、〈告白大作戦〉は予想外の展開を見せ――。
ものわかりのいい私たちを揺さぶる、こじれまくった恋と友情!!
となっています。
まずもって注目なのが、主人公が「アラサー」ということです。
これまでの住野さんは、高校生を中心に、せいぜい大学生を主人公として描く、「若者をターゲットにした作家さん」というイメージが非常に強くありました。
まあ、だからこそ住野さんにしか出せない瑞々しさが満載の作品が発表されてきたわけです。
しかし、以前の作品レビュー記事にも書きましたが、
「もっとオトナの世界を描く住野さんの作品も読んでみたい…」
という考えが次第に膨らんでいたことも事実です。
そんなタイミングで「三十歳を目前に婚約した千鶴は〜」と来るわけですので、恐らく住野さん側も、出版社側も、「次のステップ」の踏み出し方について考えていたのだと思われます。
さて、新作は、
「これまで自分への恋心を隠し続けてきた親友に告白させ、前に進めるようにしようと…」
という、なかなかユニークな世界観の作品のようです。
しかし、そこは住野作品。
単純なラブコメ的作品で終わるはずがありません。
「予想外の展開」「ものわかりのいい私たちを揺さぶる、こじれまくった恋と友情!!」とあおっていますので、一筋縄ではいかないストーリー展開になることは明らかですね。
実は響貴は千鶴のことを思っていたのではなく…とか、結局千鶴が響貴のことを好きになってしまい…などというストーリーの裏に、とんでもない事情が隠されている…などという具合でしょうか?
住野作品の「振れ幅」は異常です。
若者の心の闇をこれでもかと痛いくらいにほじくり返してみたり、「死」「葛藤」を軽いタッチで描きながらもその深刻さを浮き彫りにしてみたり…。はたまた「三歩」のようにホッコリした文章を書いてみたり…。
前作「恋とそれとあと全部」は、最終的には珍しくハッピーエンドで、これもあり…と感じました。
さて、新作の「味」はいかに?