TSMC「2nm」「1.6nm」チップの登場時期が気になる
2023年、Appleは3nmプロセスルールで製造された「A17 Pro」をiPhone15 Proシリーズに投入するとともに、その後M3・M3 Pro／MaxチップをMacに搭載しました。
Appleからすると、TSMCの3nm技術を独占的に導入したことで、他メーカーへのアドバンテージを保った格好です。
AppleとTSMCとの蜜月ぶりは以前から言及されてきましたが、ここに来て最高潮にまで高まっている印象を受けます。
TSMCとしても、惜しみなくつぎ込んだ技術費をAppleが確実に回収させてくれる…という意味でメリットが大きいのでしょう。
恐らくは、今後も「Apple優先」という考え方は続くのではないかと予想します。
また、Appleからしても「チップ性能で押し切る」という戦略を特にiPhoneにおいては打ち出さざるを得ない状況が続いていますので、TSMCとの関係性を切らすわけには行かないはずです。
さて、そんなチップに関するお話ですが…。
最近、今後のiPhoneに搭載されるAチップの進化が話題になっています。
本ブログでも、
「2025年登場のiPhone17 Proに搭載される "A19 Pro" は2nmなのか、それとも3nmなのか？」
ということに関して、２つの見方があることを紹介しています。
これに関して、TSMCがチップ製造計画のプレスリリースを出したのですが、その書き方が何とも微妙なものになっております。
TSMCのチップ製造計画の書き方がiPhoneの運命を左右する
記事によると、
台湾チップメーカーTSMCは米国時間24日、1.6ナノメートル（nm）のチップを製造する計画をプレスリリースで発表した。将来的にAppleシリコンに搭載されるものとみられており、注目が集まっている
ということです。
ここでの注目は、新チップ製造に関するTSMCの表現の仕方です。
具体的に見ると…。
TSMC A16™ Technology: With TSMC’s industry-leading N3E technology now in production, and N2 on track for production in the second half of 2025, TSMC debuted A16, the next technology on its roadmap. A16 will combine TSMC’s Super Power Rail architecture with its nanosheet transistors for planned production in 2026.
となっております。
つまり、2nmプロセスルールで製造する「N2チップ」を、「2025年後半」に製造開始する…というのです。
この「後半」という表現が、「2025年の新型iPhoneに間に合うのか？」という論争を呼び起こす原因となっていますね。
「９月発表」が既定路線となっているiPhoneですので、そこに間に合わせるためにはどう考えても６月頃には量産に入っていなければならないでしょう。これが「後半」に入るのか？
ただ、TSMCとしても、チップ開発は「順調」としていますので、私は以前の記事でも書いたとおりに、
「2025年のiPhone17 Proには2nmプロセスルールの"A19 Pro"」
が搭載され、順調にいけば、
「2027年のiPhone19 Proには1.6nmプロセスルールの"A21 Pro"」
が搭載される…と考えます。
以前にも書きましたが、あくまでもApple Siliconにおいては、９月発売のiPhoneに搭載するAチップが「起点」となる…と考えます。
