iPhoneに「3層積層型イメージセンサー」搭載?
5年ほど前までは、スマホの主戦場は「カメラ」でした。
画素数、暗所性能、撮影倍率等、すべてに渡ってそのスペックを競っていた印象です。
しかし、最近はめっきりカメラのスペックで競う…という風潮が薄れてきているようにも感じます。
恐らくこれは、どのメーカーのスマホのカメラ性能も十分なレベルに達し、「争点になりづらくなった…」ということなのでしょう。
iPhoneにおいても、画素数の増幅、光学高倍率化というブラッシュアップがなされたことで、ようやくAndroid機に迫って来ましたね。
そして…。
一般的には、
「カメラ機能はスマホで十分」
という風潮がもはや当然の認識になりました。
ある程度の画質が担保され、ズームもできる。
しかも、いつでも気軽に撮影できる。
画質にこだわらないのであれば「スマホで十分」という流れになってしまうのも致し方ない…と感じざるを得ません。
ただ、あくまでも大きめのプリントアウトを前提にすると、ミラーレス一眼とスマホの画像とでは超えられない壁があるのも事実。
やはり、
「プリントアウトという文化の消失」
が大きいのでしょう。
通常はスマホ内の閲覧で完結しますし、プリントアウトするにしてもせいぜいL版程度…。これではスマホで十分と考えても仕方ありません。
動きものは難しいでしょうが、そこは「動画で…」と割り切る方々が多いのでしょう。
そんな中…。
iPhoneに新型カメラセンサー搭載の噂が来ています。
そこに並ぶ言葉はミラーレス一眼と変わらない…。
ますます一眼の立場が弱体化しそうです。
技術的にはミラーレス一眼との境界線があやふやに…
記事によると、
iPhoneのカメラ向けに、Samsungが3層積層型イメージセンサーを開発しており、ソニー製イメージセンサーから変更して採用される可能性があると、Jukanlosreve氏(@Jukanlosreve)が伝えている
ということです。
興味深いのはそセンサーの機構です。
「3層積層型イメージセンサー」ということで、恐らくはこれまで同様「裏面照射型CMOS」のセンサーとなるでしょう。
「裏面照射CMOS3層積層型イメージセンサー」…。
その言葉はもはや、ミラーレス一眼で使われる用語そのものですね。
「裏面照射型」のよさは、
回路配線がフォトダイオードの上に存在する表面照射型撮像素子より、裏面照射型は受光面を広くできるので、感度においてもダイナミックレンジにおいても有利
ということ。
逆にデメリットは、
裏面照射型撮像素子は低感度でノイズが発生し易い
ということのようです。
また、「積層型」のよさは、
画素領域と回路領域を、それぞれ独立したチップとして形成できるので、高速読み出しが出来る
ということ。
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つまり、今後はスマホのカメラも一眼同様に、
「高速読みだし + ダイナミックレンジ拡大」
という方向に向かい、ノイズをソフトウエアで上手に消していく…という流れになっていくのでしょう。
この流れで行くと、今後ますますスマホと一眼の技術的な境界線が曖昧になっていくでしょう。そしてもますます、
「ミラーレス一眼は一部のマニアのためのもの…」
という乖離が進んでいくことになりそうです。
そして…。
台数が売れないと当然一眼カメラの価格が上昇し、ますます一般の方が手を出しづらくなる…。
正に悪循環です。
ただでさえ原材料の高騰や為替の影響でカメラの価格は上がりがち。
そこに利用者の減少という要因が更に加わると、もはやこのマイナスの流れは止められそうにもありませんね。