「25年上期カメラメーカ通信簿」がなかなか興味深い!
スマホの台頭により、つい2・3年前までは、
「カメラ業界に未来はない…」
という風潮が強くありました。
しかし、最近はその流れが急速に変わりつつあります。
まあ、業界全体でいうと中・長期的な視野での大きな躍進は考えられないのかもしれません。ただ、これまでの「キヤノン、ソニーという二強のみが生き残る」という考え方から、「ニコン、富士フイルム、シグマ等の第三勢力の急伸」という構図に変化しつつあるようです。
何故このような急展開となったのか?
この度、「25年上期カメラメーカ通信簿」なるものが出てきましたので、それを見ながら考えていきます。
キヤノン、ソニーの追い上げなるか?
今回の記事の元ネタは、「MirrorlessRumors」の特集ですね。
この記事では、以下のように日本のカメラメーカーの2025年上期を評価しています。
まあ、なかなかに的を射ているかなと…。
特にその躍進が目立つのは「ニコン」「富士フイルム」でしょう。
ニコンに関しては、キヤノン、ソニーが新機種を出し切れないこのタイミングで、「かゆいところに手が届く」というスタンスのコスパに優れた機種を登場させました。元来レンズには定評のあるメーカーですし、本来はキヤノンと日本のカメラの歴史を作りあげてきた老舗ですので、底力はある…というところでしょうか?
ニコンは、レトロチックなデザイン・サイズ感等、絶対的な性能以外でユーザーの心を掴む…という戦術に舵を切っている印象。独自でセンサーを製造できない…という絶対的な弱みがありますが、アイデアでその弱点を克服しようとしています。この戦法が今後どの程度通用するのか?…に注目ですね。
富士フイルムに関しては、とにかく「我が道を行く」というスタイルで、独自路線を貫いている印象です。また、それに一定のユーザーが確実についてきている…ということになります。
登場する機種の殆どがヒットしている印象。まあ、もともとの製造数が少ないということがあるかもしれませんが、常に「供給不足」となっている感が強いですね。
「フィルムメーカー」としての色づくりの遊び方、他メーカーではできない機種の創造など、これからも「トップに立つことは望んでいないが、確実に一定層のユーザーを確保する」という戦略で進むことになりそうです。
シグマは、元来のレンズが好調なことに加え、「SIGMA fp」の投入など、ニッチな面での活躍が目立ちました。常に新たなことに挑戦する…という企業イメージは強みです。また、今後キヤノンがRFマウントの開放を行うようであれば、更にメーカーとしての価値が上がってきそうですね。
そして…。
上半期にはメイン機種の投入が無かった「キヤノン」「ソニー」は当然ながら「様子見」的な評価となりました。
ただ、他メーカーが新たな方向性での攻勢に出ている中、大手二社がこれまでと同様な戦略でいいのか?…ということも考えていかなくてはならないでしょう。
それぞれにシェアをキープ、あるいは向上させていくような目に見える努力をしていかないと、第三勢力に迫られる…という近未来が待っている可能性も考えられます。