以前の「他社製部品修理」の範囲をバッテリーにまで拡大
2017年3月,それまで純正部品にとことんこだわってきたAppleが,修理に関するハードルを下げました。
「Apple 製品 1 年限定保証」に関して,他社製の部品を使用しているアップルデバイスの修理範囲を,「iPhoneの液晶」にまで拡大したことは,以前にもお伝えしました。
今回,他社製「バッテリー」を使用しているiPhoneも,修理対象に加えることを発表したようです。
AppleCare+適応は純正品のみ等,熟慮が必要
保障範囲が広がること自体は,何のマイナス部分もありませんので歓迎すべきことです。
しかし,Apple製品に関しては,熟慮を要する部分が多々あります。
①AppleCare+の位置付け
まず気をつけたいのが,「AppleCare+」についてです。
最近のiPhoneは,有機ELディスプレイが搭載されるようになり,その修理費が跳ね上がりました。よって,AppleCare+に加入しているユーザーが多いのではないでしょうか?
しかし,AppleCare+の適応を受けることのできるデバイスは,「純正品」と限定されており,他社製の部品が一部でも取り付けられていると適応外となってしまいます。
ですから,ディスプレイとバッテリーに関しては,どんなに他社サービスが安価であっても,AppleCare+に加入してる場合はAppleでの交換・修理を受けないと,いざというときにとんでもないことになってしまうわけです。
高額の代金を払ってAppleCare+に入っているのに,適応されないのでは泣くに泣けません。
②「1年間無償修理」は「自然故障」のみである
元来,Appleの「1年間無償修理」は「自然故障」のみです。
つまり,落下等による故障,画面割れ等は元々「有償」となります。AppleCare+に加入すると,これが年2回まで大幅に割り引かれるというシステムであることを忘れてはいけません。
これまでは,バッテリーを他社製品に変更していた場合,この自然故障による無償修理さえ受けることができなくなっていたということです。
③修理対象外となる部品も存在する
今回,前回のディスプレイに続いてバッテリーについても有償修理適応対象となりましたが,ロジックボード,Lightningコネクタ,各種ボタン等,他社製品を使用していると修理を受け付けてさえもらえなくなることがあるようですので,十分な注意が必要です。
結局は「100」か「0」か
考え方の根本は,「100」か「0」かなのだと思います。
どういうことかというと,購入当初から,
「Apple公式の修理,サービスを受けるのかどうかを決めて置くことか大切」
であるということ。
安心を優先し,最初からAppleCare+に加入するのであれば,数万円の負担で2年間の安心を買うことができるわけです。しかし,もし何事もなかったら,その数万円はある意味無駄になってしまいます。
逆に,その「無駄」を嫌うのであれば,AppleCare+には加入せず,有事の際には「第三者による修理サービス」を利用するという考え方もあるでしょう。
ただし,一旦この考え方で修理を受けるのであれば,最後までAppleのサービスを受けないという心づもりが必要でしょう。途中で純正のサービスを受けるようですと,6万円超の修理費がかかったりする場合もありますので。
あっ,折衷案とすれば,1年間はAppleCare+に加入し,残りの1年は何かあったら第三者のサービスを…というように,使い分ける手もあるかも知れませんね。
さて,Appleデバイスに関する修理サービス,あなたはどのよう考えていきますか?