Apple、自社製5Gモデム開発に遅れ?
数年前の「Apple VS Qualcomm」の裁判沙汰の争いは記憶に新しいところです。
iPhoneに搭載するQualcomm社製モデムのロイヤリティーが基で大論争に発展しましたが、Intelがモデム事業から撤退し、「脱Qualcomm」のためにはAppleがモデムを自社開発しなくてはならなくなったことから話は急転。
結局はAppleが折れる形で和解した…という事情がありました。
以前の噂では、「2023年」あたりから自社製5Gモデムを搭載することを想定しておりましたので、本来であれば来年なのですが、ここまでApple純正モデムの話題は全くといっていいほど表に出ていません。
そして…。
この度Appleの5Gモデム開発に遅れが出ている…という記事が来ています。
Appleは2025年までQualcommに支配される?
記事によると、
Haitong International Securitiesのアナリスト、ジェフ・プー氏が顧客向け報告書の中で、2023年および2024年モデルのiPhoneにも引き続きQualcomm製5Gモデムが搭載されると記していることが明らかになった
ということです。
iPhone13シリーズには「Qualcomm Snapdragon X60」が搭載されましたが、すでに「X65」が登場していただけに、世代の遅れを感じされました。
「X65」はかなり省電力性が向上しているとされていましたので、非常に残念だったのを覚えています。
実際、私の印象としては、iPhone13 Proのバッテリーもちは非常に悪く(対iPhone11 Pro比)、その原因の一つがモデムだったのではないか…と予想しています。
iPhone14シリーズにはその「X65」が採用され、バッテリーもちは改善しました。
モデムそのものの性能はもちろんですが、いかに電波をキャッチするのか…という点で、バッテリー持ちに大きな影響を与えるのがモデムだと実感しているところです。
実は、「X70」もすでに登場済のようですね。
とすると、本来であれば純正モデムを搭載したかったはずの来年のiPhone15シリーズはその「X70」搭載か?
今回の記事が正しければ、その後の2年もQualcommに支配される時期が続くようです。
「X75」「X80」となるのかな?
モデム、ディスプレイ… Appleのアキレス腱
Appleはここまで、自社生産工場を待たずに部品製造を委託する形で発展してきました。
スマホの中枢となるAチップに関しては開発はAppleが行うものの、製造はTSMCに任せる…という形態。
また、これもスマホには絶対に欠かせないディスプレイについてはSamsungに頼ることで体裁を保っています。
まあ、現在の状況で、何から何まで自社で準備する…となんてことは不可能なのですが、それにしても、
「重要な部品を自社で自由に製造できない」
ということは、Appleのアキレス腱であることは間違いないでしょう。
Samsungは、ディスプレイを牛耳っているからこそ、Galaxyで折りたたみ式をリードできているのでしょうから…。
Appleからしたら、今回話題になったモデムのような弱みは、相手から足下を見られないためにも、早急に自社開発に切り替えたいところでしょう。
というとは、このモデム事業、相当に苦しんでいるということになりそうですね。