「HomePod」導入で考えるストーミング音楽配信
「HomePod」を導入するに伴い,その利用意図等について書かせていただきました。
さて,今回はストリーミング系音楽配信サービスの話。
通常であれば,使っているデバイスの全てがApple製品であり,それに加えて今回「HomePod」を導入するということですので,「AppleMusic」で決まりでしょう。
しかし,こと「音質」に関して異常なほどに敏感になってしまっている身としては,やはりWAV とストリーミング配信の音質差は感じてしまうわけです。
そして,Appleユーザーでありながら,私がこれまで「AppleMusic」を頑なに拒んできた理由は,前回も説明したように,
「AppleMusicにすると,基本的に曲がiCloud同期され,AAC256kbpsに書き換えられてしまう」
ということです。
これを防ぐためには,AppleMusic導入時にiPhone内のコンテンツを「残す」設定にしなくてはならないことや,MaciTunes内の元データを絶対に消さないことなど,守らなくてはならない注意ポイントがいくつか存在します。
この面倒くさい手間暇をかけてWAV音源を同期しても,AppleMusicのライブラリ内に,AppleMusicからダウンロードした曲と,自力で同期したWAV音源とが混在するという状況になりますので,これはこれで更に面倒くさい。
しかし,今回「HomePod」導入に当たり,とりあえずAppleMusicを試してみることにしました。
その理由や思惑について書いていきます。
ストリーミング系サービスの個人的順位は?
まずは,前回も書いた,現状の大手ストリーミンク配信系大手3社を比較した結果です。
自分の中では,
「Amazon Prime music > AppleMusic Spotify」
となります。
圧縮率からしても,一般的な評価からしても,Spotifyの音質に定評があるようですが,私は,
「ボーカル帯だけひときわ目立つようなチューニングがさせており,キンキンするために一聴するといい音に聴こえるだけ」
と判断しました。
中・高音部だけやけに悪目立ちして,聴き疲れします。
逆にAmazon Prime musicは,やや低音寄りのどっしりとした音質で,低・中・高音のつながり,音の広がりが非常に自然です。聴き疲れも最もありません。
もちろん好みの問題ではありますが,ロスレス音源に最も近く,「音楽」として最も自然に成立しているのは,Amazon Prime musicだと感じています。
AppleMusicは,SpotifyとAmazon Prime musicとの中間の音。
ロスレス音源に比べると「中音部」が明らかに強調されていますが,Spotifyほどキンキンした感じはありません。
しかしAmazon Prime musicほどの低音のふくよかさがないため,ある意味最も中途半端な音…と言えるかも。
現状では,しっかり聴きたい音楽に関しては,のっぺりとしたAppleMusicだけには任せておけない状況です。
最もしっくりくるのは,
「しっかり聞きたい曲はWAVでiPhoneに取り込み,ストリーミングはAmazon Prime musicを利用する」
という考え方です。
これだったら,AppleMusicで生じる曲の混在やiCloud同期などといった面倒を考えなくていいのてすっきりします。
しかし…。
せっかくここまでAppleにこだわり,HomePodもで導入するのに,ストリーミング系サービスだけApple系ではないのも何か引っかかります。
そこで今回の「お試し」となるわけですが,ここには,今後AppleMusicの音質が向上し,WAVで音楽を取り込まなくてもよくなるのでは?…という希望的観測が込められてます。
それが「Apple Digital Masters」です。
AppleMusicの音質がロスレスレベルになれば…
これまでのAppleMusicでは,
「16bit/44.1kHzのマスター音源を使用してAAC256kbpsにエンコード」
されたものを使用していました。
しかし,現在Appleが導入を開始している「Apple Digital Masters」では,
「24bit/44.1kHzのマスター音源を使用してAAC256kbpsにエンコード」
している上に,
「エンコーダーの性能が向上している」
というのです。
つまり,圧縮率は変わらないものの,大元の音源の質と,エンコード性能が向上しているということ。
これによって,これまでの曲に比べて「ロスレスレベル」に音質の向上が見込めるというわけ!
もし…。
AppleMusicの「Apple Digital Masters化」で音質向上し,WAV音源との差が聴き分けることができないまでになったら…。
もはや,「CDから曲を取り込む」という行為自体が過去の産物になってしまいます。
そうなった暁には,AppleMusicは私にとって最高のパートナーになるはず。
「Apple Digital Masters」を体感できるのは,MacOS Catalina,iOS13が導入されてからということです。
しかし,すでに全世界のトップチャートの多くが「Apple Digital Masters」処理されているという情報もありますので,期待がかかりますね。
日本の曲も「Apple Digital Masters化」されるのか?
それはいつから?
どの程度の割合で?
そして,最大の要因。
「WAVとの音質差は許せる範囲?」
AppleMusicの操作に慣れ,HomePodとの共存を図りながら,その決定的瞬間を待ちたいと思います。
これ,私音楽との関わりの中でも,結構歴史的な転換期となるかも…。
もし「Apple Digital Masters」の音に満足できなければ,「Amazon Prime music」に戻るかもしれません。
いや〜,ドキドキする!