「MOMENTUM Wireless」ノイズキャンセリングの効きやいかに?
ゼンハイザーの「MOMENTUM Wireless(第3世代)」のレビュー第4弾です。
ここまで,「開封編」「取って出しの音質編」「エージング10時間編」と来まして,今回はノイズキャンセルの効き具合の関して書かせていただきます。
ノイキャンの効き具合に関するファーストインプレッションは,「レビュー②」にも少しだけ書かせていただきましたが,SONY機,BOSE機には歯が立たないものの,低音を中心にそれなりに効果があるような印象をもちました。
今回は実際に「MOMENTUM Wireless」を外に持ち出しての検証を行いたいと思います。個人的には「初ノイズキャンセリング機」となります。SONY機やBOSE機の関しては店舗での試聴でそのエグいノイキャンの効き具合は経験済みですが,本機のノイキャンが,実際の外でどのように働くのか,楽しみにしながら実験してみました。
いつものSTARBUCKS&道路沿いの公園にて…
まずは今後の主戦場のひとつとなるであろういつものSTARBUCKSでの検証です。
常にジャズなどの曲が流れ,女性を中心とする会話が途切れることのない店内。さて,一体どのような聴こえ具合になるでしょうか?
この日のSTARBUCKS店内は,よくジャンルの分からない外国人女性ボーカルの曲がBGMとして流れ,全体的にお客さんの話し声がしている状態。まあ,いつもどおりです。これに加えて背後でグラインダーの音が時折響く感じ。
まずは「MOMENTUM Wireless」を装着。
装着と同時にノイキャンが効きますので,ぐっと低音寄りの音が消えますが,女性の話し声等は残っています。
しかし…。
「MOMENTUM Wireless」のすごいところは,一旦曲が流れ始めると音量を上げなくてもノイズが気にならなくなること。実際,バラード調の曲をボリュームを抑えめで効いている際にも,隣のお客さんが椅子を引く音が若干聴こえた程度。しかも全く音楽を邪魔しない程度に押さえられています。しかも若干楽器の量が多くなると外部のノイズは完全に消え,音楽の世界に没頭できます。
これがイヤホンだとどうしてもノイズをシャットアウトするために音量を上げたくなるのですが,「MOMENTUM Wireless」では低音量のままでも気持ちいいというのがミソですね。ノイキャン機の強さ爆発といったところでしょうか。
続いて試してみたのは,交通量の多い国道沿いにある公園です。
よく自転車でポタリングに出かけ,ベンチに腰を下ろして曲を聴くことのある場所。これまでであれば,車の音が気になっている場所でした。
まずは装着。
「ゴーッ」というロードノイズの低音域は消えますが,消しきれずに残る印象。しかし,それ以外の屋外特有の様々なノイズは完全に消滅です。
そして,こちらも一旦音楽をかけると全てのノイズが消えました。
余りにノイズがなくなったので,あえて道沿いまで歩き,車道のすぐ近くまで寄ってみたのですが。曲がかかっている状態では本当にロードノイズが皆無の状態。これには「恐れ入りました!」というところです。
そもそもの遮音性が高い!
SONY機やBOSE機はも音楽をかけていない状態でもよりノイキャンが効いていますが,結局は音楽をかけている状態が最も重要ですので,私にとっては「MOMENTUM Wireless」のノイキャン,完璧です。
感じたのは,
「イヤーパッドの密閉性が非常に優秀で,そもそもの遮音性が高い」
ということ。
恐らくこの部分が優れているため,音量が小さくても一旦音楽がかかってしまえば,外部ノイズが気にならなくなるのでしょう。これ,非常に理に適っています。
そして…。
「MOMENTUM Wireless」で最高にうれしいのが,ファーストインプレッション編でも述べた,
「ノイキャンが効いていても音質の劣化が感じられない」
という点です。
本当に変わらないんですよ,ノイキャンありでも。信じられますか?
そして,その音が実に素直で美しく,「ノイキャン機」という範疇にいることを忘れてしまいそうな音なのです。
SONY機やBOSE機のようなノイキャン臭さや,癖のある音質とは真逆を行きます。純粋に音楽について語れる音質。
実は今回のノイキャン実験は,明日アップする予定の「レビュー⑤」で書かせていただく「エージング20時間経過後」に行ったものです。音質が劇的に向上し,ノイキャンの効きを意識させない上に十分なノイズ対策がされている…。
もはや私にとっては「最強」のヘッドホンになりつつあります。
「これだけでいいんじゃないの…?」
と思わせる「絶対性」さえ感じさせる「MOMENTUM Wireless」です。
いろいろな機種で迷っておられる方,是非とも試してみてください。心からのお薦めです。