「A13Bionic」の強さが際立つ!
もはやiPhoneは「最先端」のスマホではありません。
近年では,先進の,あるいは冒険的な新しい技術はAndroid勢が真っ先に取り入れる時代です。まあ,GalaxyFoldのように大変な事態陥ることもあるのですが…。
現状のiPhoneは,Android勢が取り入れた技術を煮詰めて数年後に投入したり,無理に新しい技術に走らず,既存の技術や機能をブラッシュアップしたりしていく方向性ですね。まあ,「スマホ」自体がすでに「出尽くした感」を伴うデバイスですので,もはや先進性を競うことに以前のような意味はないのかもしれません。
しかし,そんな中一貫してAndroid勢の追随を許さない部分があります。チップの性能です。iPhone11シリーズに搭載されている「A13Bionic」は,A12同様の「7nmプロセスルール」で製造されており,「5nm」に移行すると言われている来年度までへの繋ぎという味方も以前はありましたが,いざ蓋を開けてみると,驚きの性能ぶりのようです。
上記の記事を書いた際には11とProとの間に性能差があるような記事も見かけましたが,現在は11シリーズは同等の性能ということで認識されていますね。
さて,そんな「A13Bionic」の性能に関する興味深い記事を見つけました。
高負荷時と低負荷時で,バッテリー効率が異なる?
デスクトップ機と肩を並べる性能!
この記事では,「A13Bionic」の性能そのものについては,「A12Bionicと比較して20%の性能向上」と説明しています。その上で,
「もはやモバイル機器用のチップでは比較できるものがない」
ほどの性能としてますね。比較するとすればAMDやIntelのデスクトップ機向けのチップになるというのですから驚きです。
まあここまでは予想通りなわけですが,興味深かったのはもうひとつの情報。
なんと,高負荷時と低負荷時のバッテリー効率が異なるというのです。
具体的にいえば,日常的な低負荷時のバッテリー効率はA13のほうが優れているが,高負荷時にはA13の方が消費電力が大きくなるというのです。
つまり,通常時は性能アップした分の余裕の駆動を行い,いざ本格的にパワーを必要とする際には「A13のパワーを全解放する」ということなのでしょう。この考え方,本当にパワーに自信がないとなかなかできないチューニングですよね。
iPhone11シリーズは,パワー以外にも「省電力化」を売りにしていますが,このようなカラクリがあったのですね。私のようにさほどパワーを求めないユーザーは,「省電力」のおいしい部分をそのまま享受することができるわけで,うれしい限りです。もちろん,いざというときの「パワーの保証付き」ということですので,安心ですね。
バッテリーもちはやはりiPhone史上最高!
この記事には,もうひとつ興味深いデータが掲載されています。
それが,バッテリー駆動時間について。まずはグラフをご覧ください。
iPhone11Proの登場時,Appleは「iPhoneXSと比較して4時間の駆動時間プラス」をうたい文句にしていました。また,実際に使用してみると,驚愕のバッテリーもちが実現されているということはこれまでにお伝えしてきました。
そして,正にこのグラフからもiPhone11シリーズのバッテリーもちの優秀さが分かります。事実,iPhoneXSとiPhone11Proを比較すると約4時間のプラスとなっていますね。
「9.43時間」だったものに「プラス3.9時間」なのですから,比率にすると「40%超」の増加です。これは「バッテリーもちの向上」を実感するはずですね。本当に驚異的だと思います。
しかし,iPhone11の方がProよりもバッテリーがもつんですね…。iPhoneXSの際にも感じましたが,有機ELのメリットがこの部分で感じられないことだけは非常に残念なことです。