iPhoneにもモーションコントロール?
先日,GoogleのPixel4が発表されました。
カメラは従来から1つ増えて2眼になりましたが,現在の主流といえる「多眼化」とは距離を置いたままのGoogleの考え方が顕在化した結果となりました。また,レンズ構成上から見ても,はやりの超広角ではなくあえて望遠レンズの新設を図ったことも,我が道を行く…という感じですね。
元来Googleは,メカニカルな部分よりもAIを中心とするソフトウェアによる技術革新を狙ってきました。他のメーカーが多眼化によって「望遠」「マクロ」「ポートレート」等を実現したのに対し,Googleは「一眼」のままAI技術によってそれらを可能にしてきたわけです。
その考え方は今回のPixel4でも顕著であり,その象徴が「Motion Sense」だといえましょう。搭載されている「Soliレーダー」で指の動きを読み取って,画面に触れなくても一定の操作が可能になるとのことです。
そして,Pixel4のようなモーションコントロールを,2020iPhoneが搭載するという情報が来ています。
唐突すぎるような気が…
この情報…,どうですかね?
私はあまりにも唐突すぎるような気がするのですが…。
情報が流れた時期もPixel4の発表直後ということで,希望的な思いからの噂なのでは…と受け取ってしまいます。
ただでさえ2020iPhoneには,「5G化」「TouchID内蔵ディスプレー」などという従来からの「宿題」がのしかかっていますし,大前提として4年ぶりの「フルモデルチェンジモデル」という位置付け。これ程の大変革の年に,これまでさほど噂にも上っていなかった機能がいきなり搭載されるものでしょうか?
もともと全てのスケジュールが遅れがちになるアップルのこと。最近はその傾向がより強まっているように感じます。まあ,悪いことばかりではありません。どこぞのAndroid勢のように見切り発車するのではなく,あくまでも自信をもてる段階になってから発表するという考え方自体は強く支持します。
しかし,今秋のOSアップデートの嵐のように,「間に合わなければならないこと」にさえアップアップしている印象を与えているAppleですので,来年度の「モーションコントロール搭載」はないのではないでしょうか?
近い将来を考えるとGoogleの選択は恐らく正しい
では,Appleは「モーションコントロール」に手を付けなくてもいいのか…?
答えは明らかに「NO」だと考えます。
デバイスそのものの飛躍的な発展は考えられない段階に入ったスマホですので,後は操作性や他デバイスとの連携,ARの活用…といった,付加価値の部分の付け足し具合にかかってきます。
この中で,今回Googleが提案した「モーションコントロール」系の操作というのは有望なのではないでしょうか。
Googleはこの手の研究を2015年から始めているという記事を見つけました。
つまり,Googleは丸4年かけて実際の商品に搭載できるだけの完成度に高めてきたということです。今回のPixel4でできることはまだ限られているかもしれませんが,恐らく他のメーカーも追従してくることになるでしょう。
Appleも追いついていかなければなりません。
そして,Appleにはこの部分において大きな武器があります。それはAppleWatchです。この手の「モーションコントロール機能」は,スマホはもちろんですが,ウエラブル端末で最大限にその効用が発揮されるのでは…と私は考えます。
いちいち画面に触れることなく任意の機能を呼び出したり,Watchを介してiPhone側の画面を切り替えたり…。Appleデバイスほど,各種のデバイスが密接に結びついているメーカーはないわけですし,Watchのように手元にある端末で操作できることに越したことはないわけですので,他のメーカーにできないことがAppleにはできるわけです。
「iPhone+AppleWatch」というレベルで考えられる「モーションコントロール」を極める。これがAppleの進む道です。もしこれが実現し,かつ快適に活用できるようなれば,包括的な意味合いでAppleのブランド力が増していくことでしょう。
さて,今後のAppleの選択やいかに…?
要注目ですね。