本当に「Magic Keyboard」?
MacBookPro16インチが発売され,徐々に実機に触った…という情報も出てきていますが,肝心のキーボードの打鍵感に関しては,なかなか読み取れていないのが実情です。
Appleが,16インチのキーボードをワイヤレス版の「Magic Keyboard」になぞらえて説明しており,ストローク量も従来のバタフライ式から大幅に増したことから,その打鍵感が非常に気になる…ということは以前に書かせていただきました。
どうやら16インチのキーボードの名称も,そのまま「Magic Keyboard」となっているようで,個人的にはかなり心配です。
上記の記事にも書きましたが,実用的には素早い入力ができて大変好ましいMagic Keyboardですが,ペシャペシャ感は否めず,バタフライ式のような感覚に訴えかける艶がない打鍵感です。
私としてはむしろ,「ワイヤレス版のMagic Keyboardをシザー式に換えてもいい」とさえ考えていましたので,信頼性・耐久性の面で抱えていたバタフライ式の弱点が残念でなりません。「Mac」というブランドを支えるためには,キーボードにもバタフライ式のような「質感」が大切だと思っていたのですが…。
さて,そんな中,「iFixit」がいつものように分解を始めております。すると,実に興味深いことを発見したそうです。なんと,ワイヤレス版Magic Keyboardのキートップが16インチのキートップに置き換え可能だというのです!
キートップは取り外しが可能
前記事でも紹介しましたが,16インチのMagic Keyboardのストロークは「1㎜」。バタフライ式のそれが「0.55㎜」だったことからも,倍近いストロークを得たことになります。
ワイヤレス版の「Magic Keyboard」のストロークも「1㎜」という記事を見かけましたので(AppleのHPでは未記載),16インチとワイヤレス版のキーボードの打鍵感は本当に似通っているのかもしれませんね。
さて,「iFixit」の分解によると,16インチのMagic Keyboardのキートップは,ワイヤレス版同様簡単に取り外しができるとのこと。
そこで,以前に「iFixit」がワイヤレス版Magic Keyboardを分解した際の記事にある写真と16インチの写真とを比べてみることにしました。
https://ipod.item-get.com/2015/10/ifixitmagic_keyboardtrackpad_2.php
以下,上が今回の16インチ,下がワイヤレス版の写真です。
これ,構造としてはほぼ同じに見えるのですが…。
ということは当然打鍵感も同様ということで…。
う〜ん,今後は,MacBook系のキーボードに「しっとり感」を期待することは難しくなるかもしれませんね…。残念。
また,「同様の構造」を証明するかのように,双方のキートップを交換できるようでして…。
ワイヤレス版の方が若干背が高いようですが,これ,笑っていいのか悪いのか…。何故か心は晴れません。
Appleのキーボードに「質感」を求めるのは無理なのか?
「薄型化の追求」という面は別にして,私はこれまでのMacBook系のバタフライ式キーボードのしっとりとした質感の打鍵感が好きでした。それは,ワイヤレス版の打鍵感があまりにも味気なく,「Apple」というブランドにそぐわないと感じていたからかもしれません。
iPhone,iPad,MacBookと,高級路線を走り,ユーザーが心地よく使うための「感覚的な部分」を大切にしてきたのがAppleだと考えています。しかし,どうしてもキーボードだけには違和感を感じていたわけで…。
今回の16インチを皮切りに,恐らくは2020年内に全てのMacBook系が「Magic Keyboard」に置き換えられるでしょう。そしてそれは,今後少なくとも数年はこの形状のキーボードで行く,ということに繋がるはずです。
あわよくば「iMacの改訂に併せてMagic Keyboardも大きく変わってくれれば…」と考えていた身としては,少なからず残念な気持ちが残ります。
まあ,「実用的な入力機器」としては優れていると感じているMagic Keyboardですので,その部分を割り切って考えられるようになれば,実質的な問題はないのでしょう。
…と,自分を説得してみる…。