Apple Pencilは鉛筆になれるのか?
それまでのスタイラスペンといえば,遅延あり,思い通り描けずのストレスあり…と,なかなか実用的なものではありませんでした。
しかし,初代Apple Pencilの登場により,情勢は一変しました。
「これほど思い通りに描けるとは…」
という思いは,Apple Pencilを初めて利用した際に誰もが感じる思いなのではないでしょうか?
まあ,
「指こそ最高のスタイラスだ」
とした亡きスティーブ・ジョブズの意思とは違った方向に進んだわけですが,Apple Pencilが「プロの仕事」にまで対応できるとは,当時のジョブズは考えいなかったでしょうから,短期間でジョブズの想像を超えるようになったAppleの想像力と,IT技術の発展スピードには驚くしかありませんね。
さて,そんなApple Pencil。
将来的には「紙に描いている感覚」を味わうことができるようになるかもしれません。
「ハプティックフィードバック」が紙に描いている感覚を…
記事によると,
Appleは、2018年6月19日付けで「質感シミュレーションのためのハプティックフィードバックを搭載したスタイラス(STYLUS WITH HAPTIC FEEDBACK FOR TEXTURE SIMULATION)」と名付けられた特許を申請していた
ということが判明したそうです。
さらに,
2019年12月19日付けで公開された特許出願には,「力覚センサーシステムは、先端に力がかけられたとき,ハウジング(筐体部品のうち装置などを包んで保護する覆いの部品)に対する先端の動きを検出することができる」と記されている
スタイラスで表面上に描くとき、質感を再現するのにハプティックフィードバックが使用される
という記述もありますので,どうやら,iPhoneにも搭載されている「Haptic Engine」のような触覚フィードバックによって,紙のザラザラ感のようなものを表現するのではないかと考えられます。
ティム・クックCEOも語る「鉛筆」を目指す意義
この「鉛筆」を目指す考え方。
ティム・クックCEOも目指しているものだということです。
ボールペンのようなスラスラとした描き心地ではなく,あえて鉛筆のようなザラザラとした描き心地を目指すあたり,Appleのこだわりを感じますね。
技術の粋を集めて,従来の自然な感触へと立ち返っていく「デジタルと人間の感覚との融合」は,Appleが生き延びていくための,プレミアムな課題なのかもしれません。