「希望の糸」の次はファンタジー系?
東野圭吾さんの令和第一作目,「希望の糸」は,人間の生きる理由という非常に哲学的な内容に踏み込んだ意欲作であり,単純な推理ものを超えた「人の心に訴えかける」名作だと感じました。
東野さんの作品は,本格推理もの,推理人情もの,自然科学推理もの,脳科学ミステリー,空想ファンタジーもの等,様々なジャンルに分別されると考えます。
個人的にはやはり「本格推理もの」「推理人情もの」が 最もしっくりくるわけですが,東野さんは「脳科学系」「空想ミステリー系」もお好きなようで…。
やはり現実離れしてしまうと,
「それ,東野さんが書かなくてもいいのでは…?」
と考えたりします。
実際,内容的にも微妙な作品も多いと感じていますので…。
「沈黙のパレード」「希望の糸」と,本格的な作品が続いた中,自作はいよいよ「空想もの」が来そうです。
3月17日,最新刊「クスノキの番人」が発売です!
456ページの夢の世界
Amazonの販売ページに記されている情報はほんの僅かです。
「不思議な力を持つ木と番人の青年が織り成す物語。『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たな感動作。長編書き下ろし。」
明らかに空想ファンタジー系の匂いがプンプンしますね。
「クスノキ」は,時に樹齢が千年を超すこともあるようで,神聖なものと捉えられることもあるようです。
「不思議な力」をもつクスノキ…という時点で,何かを予感させます。
「ナミヤ雑貨店」のように時を超えるのか…?
それとも,「秘密」を超越するような,我々が想像付かないような摩訶不思議な現象が起こるのか…?
東野さんのことですので,まずはその「現象」で読み手の度肝を抜かしてくれることでしょう。
さらに,その「現象」を通して,通常では適わないはずの,「後悔」「願い」のようなものをクリアにしていくのではないでしょうか?
涙無くしては語れない物語を隣り合わせにして…。
今回の作品,総ページ数が456ページという,大作になっていますね。
東野さんが,これだけの文章量を通して書きたかったのは何なのか…?
そして,「希望の糸」のような傑作の次作として選択したテーマがどれほどのものなのか…?
じっくりと確かめたいと思います。
☆3/21 レビュー追記☆