新型Mac Proは「M2」を2個搭載?
先日,
「すでにAppleはM2チップの生産に着手している」
というニュースが駆け巡りました。
それまで,次に登場するのは「M1」のグラフィック強化版チップである「M1X」であろう…という見方が支配的だったため,私としては結構な驚きを感じました。
というのも,M1の上位版をMacBookPro14/16インチやiMac27インチ後継機に搭載し,その後に新型Mac Proに別型番の超高性能チップを用意すれば,「エントリー」「ミドル〜ハイ」「ハイエンド」という「AppleSilicon Mac」の機種構成が無理なく出来上がると考えていたからです。
しかし,MacBookPro14/16インチやiMac27インチ後継機に搭載されるのが「M2」と呼ばれるチップであり,しかも「すでに量産が始まっており,7月には出荷の見込み」という情報までありました。
ここで問題なのは,「M2はM1系列のアップデートチップなのか?」ということです。もしそうだとすれば,今後のApple Siliconの系統性が見えなくなります。同世代チップ内での高性能版という位置づけが存在した方が,チップやデバイスの「世代把握」のためにも役立ちますので…。
言わずもがな,「M1」は「A14」をベースに製作されていますので,「A14世代」というくくりができるわけですが,果たして「M2」はA14世代なのか,それとも「A15世代」なのか?
もし,「M2」が「A14世代」の中で「M1のグラフィック強化版チップ」という位置づけであれば,これは単に「M1X→M2」へと名称が変更になっただけと捉えることができますので,非常に分かりやすくなるのでしょうが…。
「X」が消滅したことで,何だかよく分からなくなってきた感がありますね。
そんな中…。
時期Mac Proに関して非常に興味深い記事が来ています。
時期Mac Proには,M2を2個搭載した「M2 Dual」が搭載される?
2個搭載が性能アップへと繋がるの?
記事によると,
複数のリーカーが,2つのチップを1パッケージ化した新しいAppleシリコンが登場することを示唆する投稿を行った
ということです。
〇有没有搞措氏(@L0vetodream)がTwitterに,2つのシステム・イン・パッケージ(SiP:System in Package)を1パッケージ化した,新しいAppleシリコンの存在を示唆するような投稿を行った
〇手机晶片达人氏が中国のソーシャルメディアWeiboに,「M2 SiPを2つ搭載するM2 dual(仮称)が,2021年第3四半期(7月〜9月)から量産開始される」と投稿した
というものです。
この「2個積み」という考え方に非常に驚きました。
これまでは,M系チップの高性能版である「Tチップ」なるものが登場し,これにApple純正GPUが加わることで,これまでにない性能を生み出すのが新型Mac Proである…と考えられてきたからです。
今回の情報が正しければ,単独のチップの性能向上を目指すのではなく,手持ちのチップを複数個搭載することで,超高性能Macを生み出そうとする戦略のようなのですが…。
単純に疑問に思うのが,
「チップを2個搭載したらかといって,Macの性能向上には繋がらないんじゃないの?」
ということ。
もちろん,マルチ作業時等の「効率化」には繋がるのでしょうが,重い作業をいち早くこなす…という「高速化」とは別問題のような気がします。
以前「M1X」と噂されていたチップ(M2?)のベンチマークは,確かにiMac Proに迫ろうかというものでした。しかし,これでは新世代Mac Proの性能を考えると全然足りていないわけです。我々が期待するのは,「飛躍的な性能アップ」。それがApple Siliconに課せられた宿命だと思います。
「M1」登場時の高揚感からすると,当然新型Mac Proに性能は,他の追随を許さないものになってもらわないと…。これができなかったら,何のためにIntelを捨てたのか分からなくなります。
「M2 Dual」,大丈夫か?
運命の2021年になる
ますます混沌としてきた感のあるApple Siliconのロードマップ。
今後を見通すと,6月のWWDCで,何らかの報告があるかもしれませんね。もし「M2 Dual」の開発と生産が順調に進むようなのであれば,現行Mac Proが発表されたように,何らかの開発発表があってもおかしくない気がします。
その後は今年後半にかけて,MacBookPro14/16インチ,iMac27インチ後継機の発売が続くでしょう(半導体不足の影響でずれ込む恐れはある)。
恐らくは,これら一連の動きの中で,新型Mac Proの動向が徐々に明らかになっていくことでしょう。
果たして「高性能新チップ」は誕生するのか?
それとも「Dual」という戦術で高性能を生み出すのか?
気になって仕方がありません。