「DPP」での操作感は?
Mac Studioの実力をMac Proと比較しながら検証しております。
これまでは、「セットアップ編」「ベンチマーク編」「動画アプリ検証編」「動画編集アプリ違和感編」「写真編集DPP現像編」として記事にしてきました。
前回は、激重RAW現像アプリ「Digital Photo Professional(以下DPP)」でも、Mac Studioの導入によって以下のような一定の成果が見られた…というお話でした。DPPがRosetta2での動作であることを考えると、十分過ぎる成果かと…。
今回は、DPP上でレタッチをしている際の印象についてです。
概ね操作感でもMac Proを上回る
DPPでのレタッチでは、Mac Pro上でもストレスを感じることがありました。
これは、私の使用しているCanon「EOS R5」のRAWデータサイズが大きいことに加え、DPPがバージョン4にアップデートされて機能が大幅に向上してしまったことが要因です。
「機能向上」はいいのですが、ここまで操作感を損ねてしまうバージョンアップも珍しいわけで、Canonにはよくよく考えていただきたかった…というのが実感です。
実際のレタッチ上でのストレスとは、
・画像の読み込みに時間がかかり、高解像で表示されるまで待たされる
・色調整等の基本的なレタッチ、拡大などの表示切り替え等をひとつ行うごとに、表示されるまでに結構なタイムラグがある
ということ。
そう、この手のアプリでは「起こってはいけないこと」が目の前で起こってしまうわけです。
レタッチアプリにおいて、「変更を加えた事項がすぐさま反映される」ことは最も大切なことのひとつです。
しかし、これまでのMac Proではこの基本的な部分でさえ「反映までの遅れ」がストレスになっていたのです。
処理する枚数の少ない私で何とかぎりぎり…という感じ。
もし私が、Canonの色へのこだわりが無ければ、すぐさまLightroom Classic等に移行したくなるほどです。
では、「Mac Studio」でのレタッチの具合はどうでしょう?
結論からいうと、
「Mac Proよりは改善されているが、正直遅延は残る…」
というところです。
全ての動作において、Mac Proよりは改善されています。
「現像」でのMac Studioの優位性がそのままレタッチでも感じられる…といったところでしょうか?
露出、色調整等のレタッチにおいても、Mac Proの時よりも明らかに速く再表示されます。画面拡大、調整前と後の画像比較画面への移行等も改善されていることが分かります。
しかし、「満足」と言えるまでには至っていないのが現実ですね。
「何とか使えるようになってきた」
という程度でしょう。
しかし、これまでのDPPの動作から考えると、Mac Studioに移行した意味は十分にあると言えます。これまでは色調整をした後の表示が遅れてしまい、前の画像との比較が難しいほどでしたが、Mac Studioではそれがストレス無く行えるほどまでには改善していますので。
これがApple Silicon対応だったら…
というわけで、写真現像の部分でもMac Studioの優位性を感じ取ることができる…という結果に落ち着きました。ほっとしています。
そして、ここで痛感するのが、
「DPPがApple Silicon対応アプリだったら…」
ということです。
Rosetta2での動作でここまで来るのですから、DPPが正式にApple Silicon対応になったら、恐らくはかなり快適に使用できる程度になるはず。
でも、無理なんでしょうね。
Canonのこの手のソフトウエアに対する思いはそれほど強くないように感じますので、これから何らかの対策をとるとは思えません。
可能性があるとすれば、今後「EOS R1」等のRFシステムの最上位機が登場し、いよいよCanonの新しい歴史が始まろうとする頃合いでしょうか?
ということは今年後半から来年に掛けて?
この時期に新たなバージョンアップとともにApple Silicon対応にならなければ、恐らく今後もRosetta2での動作が続くことになるのでは?
Canonさん、お願いします。
新バージョンをApple Silicon対応で!
★追記★