シングル性能の向上はCanon「DPP」に打ち勝てるか?
M2 Pro搭載の「MacBook Pro14インチ」をレビューしております。
さて、先日の「レビュー①」では、Geekbenchのスコアをご紹介しました。
その中での注目ポイントはなんといってもCPUの「シングルスコア」でしたね。
以下のように、M1世代を凌駕するものになっています。
シングル性能ということになると、本ブログではカメラデータのRAW現像に注目してきました。
Canon機使いとしては、純正RAW現像アプリの「DPP」の激重ぶりに悩むわけですが、昨年購入した「M1 Ultra搭載 Mac Studio」では、Mac Pro以上の速度が出たことで、一定の成果を上げることができました。
まあ、それでも遅すぎるのですが…。
激重でも使いたい…と思わせる色再現性がDPPにはあるんですよね…。このあたりはさすが純正というところです。
さて、「1900超え」となったシングルスコアが、DPPの処理にどのような影響を与えるか?
早速実験してみることにしました。
「コア数」がキモになるのかも…
今回は、Canon「EOS R5」で撮影したRAWデータを、DPPにてJPEGに変換にかかった時間を計測しました。
以前にも「Mac Studio VS Mac Pro」で同様のチェックをしたことがあります。
このときは、1枚を現像するのにMac Studioでようやく30秒を切る…という展開。
Mac Proは35秒超ということで、それなりの差が生じました。
今回は処理に負荷がかかりそうな、人が多く写り込んでいる画像を5枚選択し、計測することに。
その結果は…。
〇M2 Pro搭載 MacBookPro14インチ
3分58秒
〇Mac Studio
2分38秒
Mac Studioは1枚あたり30秒ちょっとでしたが、MacBookPro14インチでは50秒弱かかりました…。
おっと、これは予想外に大きな差がつきましたね。
ここから、以下のように考えてみました。
〇RAW現像時はGPUは殆ど動いていないことから、この差がCPU性能に由来している。
〇シングルスコアが上のM2 Proが大きく負け越していることから、単純なシングル性能だけで処理性能を語ることはできない。
〇M2 ProとM1 Ultraの差は、「マルチタスク性能」と「CPUコア数」
◎マルチタスク性能の差というよりも、CPUのコア数がダイレクトに影響しているのではないか…?
私のMacBookPro14インチは、「10Core CPU」で、Mac Studioは「20Core CPU」となっています。
M2 Proは「6つの高性能コアと4つの高効率コア」
M1 Ultraは「16この高性能コアと4つの高効率コア」
つまりは、高負荷のタスクをこなす「高性能コア」が単純に「10個分」違うのです。
ここから想像できることは、
「一つ一つのシングルコア性能がいくら高くても、コア数の多さを補うことはできない」
ということ。
コア数のパワーが半端ない…ということなのかな?
見えてくるM2 Proの用途
今回の結果から考えると、DPPの処理に関しては、なかなか進んでMacBookPro14インチを使おう…という気持ちにはなれそうもありません。
まあ、ごく少数の画像処理をどうしてもしなくてはならない場合には…というくらいでしょうか。
完全に、
「DPPを触るんだったらMac Studio」
ということになりそうです。
悪名高きDPP、恐るべしです。
ただ、YouTubeでの検証動画等を見ると、それほど重いタスクでなければMaxと大差ない…という見方もあるようですので、この14インチの使い方が見えてきたような気がします。
また、今回の検証で、Apple Siliconにおけるチップ性能の法則性のようなものも見えてきました。
今後の参考にしていきたいと思います。