Apple初のMRヘッドセット、量産は遅れる?
2023年のWWDCにおける最大の話題と言えば、Apple初のMRヘッドセットで間違いないでしょう。
ただしこのMRヘッドセット、その発表が何度も先遅りされたり、WWDCの発表に関してもApple社内での評価が割れていると報じられたりと、今後大きな波乱がありそうな予感が今から漂っています。
WWDCを間近に控え、そのヘッドセットに関する心配な情報が報じられています。
量産は遅れる?
懸念材料が山盛り
記事によると、
Appleは同社初の複合現実(MR)ヘッドセットとなる「Reality Pro(仮称)」を、予定通り世界開発者会議(WWDC23)初日となる現地時間6月5日に発表する見通し。しかし量産開始時期は12月頃までずれ込むと、米メディアWall Street Journal(WSJ)が報じている
ということです。
まずもって確定的なのは、
「WWDCで発表される」
という点。
これまで何度も発表が先送りされてきた経緯がありますが、さすがにここが最後のチャンスということなのでしょう。ヘッドセット市場はすでに存在しており、先行メーカーも存在する中ですので、Appleが参入するのであればこれ以上待ったなし…ということになります。
ただ、Apple社内でも未だにヘッドセットの投入に関しては意見が二分している…という話も漏れ伝わってきますので、事業継続・参入ということ自体がAppleにとっては1つの賭けのような状態になっているのでは?
失敗する可能性そのものをAppleも考えているでしょうし、私はそちらの可能性の方が高いとさえ考えているのですが、どうでしょう?
その懸念材料としては…。
まずは「市場」として成立するか?…という点。
現在のヘッドセット市場、話題にはなるものの、その市場が拡大しているとか、利用用途が広がっている…等の肯定的な要素は感じません。もちろん一部のコアなユーザー層は存在するのでしょうが、これが広がってこないことには、事業そのものの未来はないわけですの…。
次にデバイスとしての未成熟さ。
以前に、「外部バッテリーパックとの接続が必須で、しかも駆動時間が2時間程度」というリーク情報がありました。
どう考えても機動性はありませんし、利用時間にも制限がかかります。このあたりは「ヘッドセット」というデバイスの特性を考えてもかなりのウイークポイントになるでしょう。
また、利用用途が依然不明確なのも不安要素。
WWDCで一気に放出される情報なのでしょうが、ここでユーザーが納得できるものが提示されなければ、発売前に一気にトーンが落ち込んでしまう…ということも十分に考えられます。
価格も問題。
現状、30〜40万円の価格が予想されています。
初代はプロトタイプ的な役割もあるかもしれませんが、それにしてもお高い!
「いずれは手に入れたい…」と思わせるような現実的な価格と魅力的な機能がある程度要求されると思うのですが…。
そして最後に発売時期。
予想では、
「量産開始が12月」
という表現です。
ということは、発売は2024年になってから…。
その頃には忘れられている…、あるいはその間に開発が頓挫する…、なんてことになる可能性だってあるわけです。
ヘッドセット、将来的に見て成功するようであれば「大拍手」ですが、失敗する可能性も大きいわけで、Appleは大きな賭けに打って出ることになりそうです。