藤原さくらさんのNewアルバム「AIRPORT」がリリース!
藤原さくらさんのNewアルバム「AIRPORT」が5月17日にリリースされました。
前作「supermarket」でも感じましたが、以前のアコースティック中心の傾向から脱皮した新しいサウンドづくりを目指しているのを感じます。
ただ…。
その方向性は、果たして藤原さんに合っているのか?
個人的には心配が募る曲が多いと感じました。この嫌な予感が的中しないことを祈るばかりです。
「藤原さくら」の曲のよさとは?
新作発表に合わせて、様々なインタビュー記事が掲載されております。例えばこんな感じ。
今回の「AIRPORT」の曲を聴くと、これまでの藤原さん流の曲と、新たな方向性を探る曲とに二分しているような印象を受けます。
まずもって、前作「SUPERMARKET」に関しては、以下のように記事にしています。
エレキギターを楽曲の中心に据えた「Twilight Tour2019」後に発表されたこの「SUPERMARKET」は、ロック調の新しい技法を取り入れながらもその曲調はあくまでも「さくら節」。その融合や塩梅に感心したものです。
藤原さんの曲を聴きたい層は、彼女の「チル」「Jazzy」「Lo-Fi」「アコースティック」といった部分を期待しているのだと私は考えているのですが、エレキを入れながらもその要素を崩さなかったという点で、「SUPERMARKET」は名盤だと言えるでしょう。
ただ…。
新作の「AIRPORT」は若干印象が異なります。
前掲のインタビュー記事にもありますが、「最初にトラックを作ってもらってそこにメロディーをつける曲作り」を多用したとのこと…。これが藤原さんにふさわしいのか…ということは検証が必要な気がします。
また、ラップを強調した曲も2曲あり、確かに世の中に出回っているゴリゴリの感じではありませんが、これが藤原さんのイメージに合っているかといえばなかなかに微妙な印象を受けました。
逆に、「My Love」「話そうよ」「まばたき」のような従来の路線を継承したアコースティック寄りのサウンドを聞くと心からほっとします。
私とすれば、今回のアルバムの中では「まばたき」が最高の一曲です。というか、藤原さんのこれまでの曲の中でも「5指」に入るような名曲だと評価しています。
個人的な好みだと言われればそれまでなのですが、私はこの路線こそ藤原さんの生命線だと考えていますので、今回の「AIRPORT」は限界性を踏み越えてしまった…と感じてしまうのかもしれません。
アコースティックな演奏に回帰できる曲作りを目指してもらいたい…
私の心の中にあるのは、今年の3月に見た「heartbeatツアー」の光景です。
基本的にはアコースティックギター一本での弾き語り。
さくらワールドに浸った夢のような時間でした。歌声が、歌詞が、心に染み渡ってくるのです。
やはり、ここが藤原さんの原点だと思いますし、どんなに曲作りが進化しても、そのベースとして存在していて欲しい部分。
極端に言えば、どんなに派手な楽器を使った曲でも、ギター一本の弾き語りができる曲…を作ってもらいたいということでしょうか…。
例えば、「SUPERMARKET」では原曲にエレキギターを使った曲が多かったわけです。
しかし、「Twilight」にしても「Ami」にしても「Waver」にしても、ギター一本で十分にそのよさが伝わる曲ばかりでした。
ところが、「AIRPORT」では、
「この曲、ギター一本での演奏は無理だよね…」
と感じてしまう曲が何曲もあります。
恐らくは、この「違和感」が非常に強く私の心の中に残っているのでしょう。
もちろん、現状に立ち止まって欲しい…というわけではありません。
ただ、世のミュージシャンが停滞していく原因としては、「あまりにも同じような曲調の曲ばかり発表してしまう」「途中でガラッと曲調やメッセージ性が変わってしまう」ということが上げられるでしょう。
藤原さんも、今後どのような変化を遂げていくべきなのかを長期的な視野をもって考えていく時期に差し掛かっているのかもしれません。