三上 延最新刊「百鬼園事件帖」が9/1に発売
三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズは私の意お気に入りでもあり、本ブログでもこれまでにたくさん紹介してきました。
第2シリーズとなり、主役が栞子と大輔の娘である「扉子」へと移りつつある…というこれまでの展開。
第2シリーズとはいえ、物語のベースは第1シリーズありきで進んでおり、これまでのビブリアファンの思いを上手に繋げる展開に三上さんの戦略性の巧みさを感じ、舌を巻きました。
そんな三上さんのミステリー最新刊が出ます。
「百鬼園事件帖」が9/1に発売です!
新シリーズの開演なるか?
角川のHPに書かれた紹介文がこちら。
〈ビブリア古書堂〉シリーズの著者がおくる、文豪×怪異×ミステリ!
舞台は昭和初頭の神楽坂。影の薄さに悩む大学生・甘木は、行きつけのカフェーで偏屈教授の内田榮造先生と親しくなる。何事にも妙なこだわりを持ち、屁理屈と借金の大名人である先生は、内田百間という作家でもあり、夏目漱石や芥川龍之介とも交流があったらしい。
先生と行動をともにするうち、甘木は徐々に常識では説明のつかない怪現象に巻き込まれるようになる。持ち前の観察眼で颯爽と事件を解決していく先生だが、それには何か切実な目的があるようで……。
変人作家と平凡学生のコンビが、怪異と謎を解き明かす。
本作は、が角川書店出版の文芸誌「小説 野性時代」に掲載していたものをまとめたもののようです。
構成としては、以下のように4つの章からできているようで、甘木、内田が様々なミステリーを解決していくという短編集となりそうです。
第一話 背広
第二話 猫
第三話 竹杖
第四話 春の日
まあ、謎解きの探偵とその助手役という、非常にありきたりの登場人物と言えるわけですが、三上さんのことですので、そこは読み手を飽きさせることは無いでしょう。
「文豪×怪異×ミステリ」ということを銘打っていることからも、ビブリアシリーズのように過去の文豪、あるいは文豪が残した作品と絡めてミステリーが進行することになるのでしょうか?
そして…。
やはり気になるのは、これもビブリアシリーズ同様、今後のシリーズ化がなるのか?…という点です。
ビブリアシリーズは、栞子と大輔との関係性に上に、栞子の母である智恵子との確執、多くの古書業者との悲喜こもごものやり取り、古書とその所有者との濃厚な関係性等々、実に盛りだくさんの事柄が噛み合いながらこれまでのシリーズが組み立てられてきました。これに娘の扉子が加わって、今後のシリーズ展開も複雑になっていくことが考えられます。
果たして、「百鬼園事件帖」の世界観はどうなっていくのか?
今後の長きシリーズ展開に耐えられるだけの伏線に満ちているのか?
読むのが非常に楽しみです。