「A17 Pro」 最強SoCの地位を死守
鳴り物入りで登場したAppleのSoC「A17 Pro」。
初の3nmプロセスルールで製造されたチップということもあり、その性能と省電力性に大きな期待が寄せられていました。
しかし…。
その期待が大きすぎたのか、特に省電力性に関しては「失敗」とも言える結果となっています。結果としては、従来の「5nm」ベースのチップと大差ない…ということです。「発熱」が大きく、結果として相当のロスが生じているようですね。
性能面に関してはそれなりに向上しているようで、こちらは想定内…というところか?
ただ、これまでの上昇幅を大きく上回るほどの性能アップ…とまではいっていませんので、正直微妙…という感じもします。
それでも…。
他社製チップと比較すると性能面での優位性は死守できているようです。
他社製チップも十分速いですが、Macのことを考えると…
記事によると、
MediaTekの次期ハイエンド・システム・オン・チップ(SoC)であるDimensity 9300のGeekbench 6ベンチマークスコアが確認され、大幅な性能向上を果たすと期待されたDimensity 9300でも、iPhone15 Proシリーズ用A17 Proと比べてシングルコアスコアおよびマルチコアスコアともに上回っていないことが判明した
ということです。
Dimensity 9300とA17 Proとを比較すると以下のように…。
マルチに関しては肉薄していますが、スマホの動作に大きく影響するであろうシングルのスコアではA17 Proが圧倒しています。
「Snapdragon 8 Gen 3」のスコアが「シングル 2,213、マルチ7,048」ということですので、マルチではDimensity 9300の方がやや有利…というところでしょうか?
SoCの分野において、AppleのAチップに追いつけ追い越せで開発を進めている「Qualcomm」「MediaTek」ですが、絶対的な部分ではまだまだ届かない…というのが現状のようです。
ただ、一般的な使用においては当然ながら全く問題が無いことは明白であり、フラッグシップチップを名乗ることができるものです。
しかし、個人的には、Appleにはこの優位性を死守しなくてはならないと考えます。
それは、
「Aチップの性能がMac用のMチップの性能に直結するから」
です。
Aチップの技術を流用してMac用Mチップを製造する…という非常に分かりやすいシステムを構築しているAppleですので、基本となるAチップが高性能であればMacも安泰。しかし、ひとたびAチップの優位性が崩れたら、それはPC分野でのMacの優位性を脅かすことに繫がりかねません。
今後ともAppleには、
「性能的にはダントツでAチップ」
と認知されるようなチップ造りを続けてもらいたいものです。