Snapdragonは「高効率コア」のみでAチップに対抗?
2023年、「3nmプロセスチップ」デビューの年となりましたが、今年はAppleのみ「A17 Pro」「M3」を展開し、その他のメーカーは来年までお預け…というTSMCとAppleの蜜月ぶりが目立った展開となりました。
鳴り物入りで登場した割には市場の受け止め方はいたって冷静。
チップ性能はもちろん向上してはいるものの、我々が期待してほどのものではない…というのが本音ですし、省電力性に到っては発熱問題が露呈して、特にA17 Proでは不評を買うほどです。
まあそれでも、iPhoneかここまで死守してきた「チップ性能番長」の称号は守れましたし、Snapdragon等の他チップメーカーのフラッグシップとの性能面での戦いは優位に進めることができていることは事実です。
ただ、2024年は続々と3nmプロセスチップが登場することになりますので、Appleとしても気を引き締めていかなくてはならないところ…。
そんな中…。
Qualcommの時期ハイエンドチップである「Snapdragon 8 Gen 4」が、「高性能コア」のみを搭載することになるのでは?…という記事がきています。
省電力性は大丈夫?
記事によると、
Snapdragon 8 Gen 4は、Windows PC向け新型プロセッサとなるSnapdragon X Eliteと共に、Nuviaが開発したArmアーキテクチャを採用する新しいCPUコアによって性能を向上、Apple Aシリーズへの対抗を目指していると、Notebookcheckが伝えている
ということです。
具体的には、
○Nuvia Phoenix LコアはArm Cortex-X4に相当する超高性能コア
○Nuvia Phoenix MコアはArm Cortex-A720に相当する高性能コア
という組み合わせになるようで、どちらも「高性能チップ」。
ということは、AppleのAチップでいうところの「高効率コア」を搭載しないことになります。
おそらくは、「Aチップ」の絶対的な高性能に対抗するチップ作りを意識しているのでしょう。
そうなると、当然ながら、以下の2点の疑問が湧いてきます。
①性能面で「A17 Pro」「A18 Pro」を越えることが出来るのか?
②省電力性は大丈夫か?
Qualcommがここまで勝負をかける…ということは、それなりにチップ性能に自信があるということか?
数値的な面でどうしてもAチップを超えられない…ということが続いている中で、大きなポイントとなりそうです。『越える』まで行かなくても、せめて『同等(or 迫る)』というところまではいって欲しい!
ただ、『省電力性』『発熱』に関しては大いに不安です。
「A17 Pro」にしても、この2点で不評を買っているわけで、おそらくは高次元での「性能と省電力/低発熱の両立」は非常に厳しいでしょう。
サーマルスロットリング頻発…という顛末にでもなれば、大いに叩かれてしまうことになるかもしれません。