Panasonicの「ムービングコイル技術」がiPhoneのQi充電を変える?
先日までラスベガスで開催されていた「CES 2025」。
そこでLGがMac用とも思える6Kディスプレイを展示したことは以前お伝えしました。
もうすぐ登場すると考えられる魅力提起なデバイスが発表されると、それだけで胸が躍りますね。
そんな「CES 2025」ですが、もうひとつ非常に気になる記事を見かけました。
「ムービングコイル技術」を採用したQi充電が今後の主流になるかもしれません。

どこでも充電の新機軸、「Active Alignment Power Profile」(APP)規格は浸透するか?
記事によると、
Wireless Power Consortiumが、CES 2025において、新たなQi規格「Qi2.1」仕様について発表するのと同時に、パナソニック オートモーティブシステムズが開発した独自のムービングコイル技術をベースにした「Active Alignment Power Profile」(APP)規格に関する展示を行った
ということです。
このPanasonicの「ムービングコイル技術」が非常に興味深いのです。
この記事内で説明されている1枚のスライドがこちら。

Qi充電の考え方として、Appleファンであれば未だにトラウマとなっているのが頓挫した「Air Power」でしょう。
「パッド上のどこにおいても充電される…」
という考え方で発売間近までいきながら、その発熱問題故に開発が注視されたのがAir Power。
上記のスライドで言えば「多コイル方式」です。
発熱が問題になりがちなQi充電において、「どこでも」を実現するためにコイルをたくさん敷き詰めることは、発熱の悪循環を招く…ということになります。
そこで現状としてはiPhoneが採用する「MagSafe方式」が一般的です。ひとつのデバイスをに対してひとつのマグネット式充電機で…という、いわば「どこでも」を完全に諦めた方式になっていますね。
しかしこれでは、決められた場所に決められた数のデバイスしか置けない…という致命的な欠点があります。自由が無いのです…。
この欠点を画期的な方法で解決するのがPanasonicの「ムービングコイル技術」。
パッド上にデバイスを置くと、コイルがそのデバイスのマグネット充電位置を自ら探知し、移動して充電を行う…という新技術のようです!

なんと、すでにトヨタ車のアルファード/ヴェルファイアに「おくだけ充電」として採用されている…ということ。全く知りませんでした。
ただ、このアルファードに搭載された機器はQi2規定には非対応だった…とのこと。
今後この「ムービングコイル」がしっかりと規定化され、様々なメーカーから同様の方式の充電機が発売されたら、一気に広がっていく予感がします。
希望するならば…。
ひとつのパッドで1台のデバイス…では、これまでのコイル式とさほど使い勝手は変わらないので、
「パッド下に複数のコイルを内蔵し、一気に複数充電できるような仕組み」
を整えてほしいものです。
これが実現するのなら、Appleファンが待ち望んでいた、
「何をどこにおいても自由に充電できる…」
という夢の充電方式が実現するでしょう。
Appleがやりたかったことを日本の企業が実現する。夢がありますね!