「Neural network Image Processing Tool」との付き合い方を考える
キヤノンのフラッグシップ「EOS R1」を導入しました。
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EOS R1 カテゴリーの記事一覧 - カスタム/CUSTOM/でいこう😎
前回までは、
「EOS R1 + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM + EXTENDER 2×」で野鳥撮影をすると、どうしてもISO感度が上がってしまい、画質に不満が出る…
という問題の解決に向けて考え、一応の結論が出ました。
当初はノイズ低減アプリの「PureRAW 4」導入を考えていましたが、実際にEOS R1の対応を待って試してみると「DPPの方が優れている」という超意外な結論。
そこで、「Neural network Image Processing Tool」と「DPP」を比較すると、こちらも明らかに「Neural network Image Processing Tool」のノイズ除去後の方が画質的に優れている…という結果になりました。
現在の時点で「Neural network Image Processing Tool」はWindows版しか出ていませんが、前回の実験でWindowsPCで生成された「Neural network Image Processing Tool」加工後のデータが、MacのDPPでも再処理できることが判明したため、高ISO撮影ででノイズが気になる画像の場合は、
①データをWindowsPCの「Neural network Image Processing Tool」で処理
②処理後のデータをMac版のDPPで再加工→プリントアウト
という手順で活用する事になります。
キヤノン純正「DPP」という不思議なアプリ
今回の実験(?)を通して、
「DPPって、あるいはキヤノンの純正アプリって、不思議だな…」
と改めて感じました。
キヤノン純正のRAW現像アプリである「Digital Photo Professional(DPP)」は、「激重」で評判のアプリです。
とにかく動きが緩慢。時間がかかります。
これ、PCのパワーをどんなに上げてもどうにもならない…という性悪のアプリでして、これを嫌って普通に動作する「Lightroom」「Capture One」等を利用している方々が殆どでしょう。
しかしやはり「純正」の威力は抜群で、画像の色再現性においては「本当のキヤノン色合い」を出せるのはこれだけ…といってもいいくらいの信頼感があります。
また、当然ですがカメラ本体、レンズ等も純正に関する対応が鬼早(EOS R1なんて、発売の数ヶ月前からDPPが対応していました)で、しかもその調整には絶対の信頼が置けます。DPPでの読み取りに時間がかかるのは玉に傷ですが、各種補正の効き方が非常に自然なのは言うまでもありません。
この点で今回試した「PureRAW 4」は、一見エッジが効いて見栄えがいいように見えますが、色合いがいかにも「AIが調整した」という不自然でケバケバしいものに変わってしまいました。これを自分好みに再度調整して…なんてことはしたくありません。
加えて肝心の「ノイズ低減」がキヤノン純正アプリに適わないのであれば、私は問題なくキヤノン純正を選びます。プロでもありませんし、撮影する枚数には限りがありますので…(まあ、それでもこの遅さはストレスになりますが)。
また、今回気になったのは、「PureRAW 4」の画像でパープルフリンジ等の偽色が目立ったことです。DPPや「Neural network Image Processing Tool」では全く生じなかった現象だっただけに、やはり「作り物感」が非常に強く感じてしまいました。
さあ、これでノイズ対策の方針が固まりました。
ただ、「DPP+Neural network Image Processing Tool」を活用しても、「劇的」にノイズが低減されたり、画像が綺麗になったりするわけではない…ということもはっきりしました。
あくまでも、
「多少は改善される」
という程度の捉え方が健全です。
まあ、長高感度の画像での「多少」は非常に有り難いので、それでも随分心が軽くなりますが…。
さすがに、野鳥専門でもない私が100万円超の「明るい超望遠」を手にするにはハードルが高すぎますので、「暗い望遠ズーム+EXTENDER」という劣悪な環境で望むしかありません。
「できる範囲」で楽しんでいきたいと思います。