キヤノンのAI技術、「Neural network Upscaling Tool」はカメラ内処理の方が精度が高い!
今や、写真の画質はカメラだけでは語れない時代になってきました。
RAWで撮っておけば、細かな調整をアプリで行える時代。色味等だけではなく、ノイズ処理まで行えます。
また、解像度に関してはAIでアップスケールできるようになりました。
もちろん高画素機はそれ以上にアップスケールされるので魅力的ですが、低画素機でも従来の高画素機相当に迫る可能性が出てきた…ということになります。
「何を重視するのか?…」という点で、カメラ選択そのものが非常に複雑になっているのか現代だと言えるでしょう。
さて…。
キャノン機でいえば、ノイズ低減をしてくれるのが「Neural network Image Processing Tool」、アップスケールしてくれるのが「Neural network Upscaling Tool」となります。
いずれもPCやMacで扱うと有料アプリとなりますが、料金はそれほど高くなく、特に キヤノン純正のRAW現像アプリ「DPP」を使うのであれば、もれなく使った方がいいのでは?…と思えるつくりになっています。
ただ…。
最新の「EOS R5 MarkⅡ」「EOS R1」では、JPEGの画像限定ではありますが、両方の機能をカメラ内で行うことが可能になっています。
恐らくこの機能は今後登場する「EOS R6 MarkⅢ」にも搭載されるでしょうし、キヤノン機の標準仕様となることでしょう。
このキヤノンのAI処理アプリに関して興味深い記事が来ています。
「Neural network Upscaling Tool」はカメラ内処理の方が精度が高い?
でも、1枚1枚カメではやっていられない JPEG限定ですし…
記事によると、
CP+2025最終日の3月2日(日)、キヤノンブースにおいて「ニューラルネットワークノイズ低減」と「カメラ内アップスケーリング」をテーマとしたプレゼンテーションステージが開催された
ということです。
興味部深いのは、
○「Neural network Upscaling Tool」のアップスケールにおいては、カメラ内で行った方がPCアプリで行うよりも画質がいい
△逆に、「Neural network Image Processing Tool」はカメラ内でもPC内でも変化はない
ということです。
つまり、アップスケールを行うのであれば「カメラ内」の方が望ましい…ということですが、ユーザーの立場からすると以下の2点で突っ込みたいと思います。
① PCやMacであれば当然バッチ処理で複数枚を一気に行うことがスタンダード。というか、1枚1枚…という作業工程そのものがナンセンスです。特別枚数をこなすこともない私でもそう感じるのですから、莫大な数を撮影するプロやハイアマチュアの方からは大きな反感を買うことになるでしょう。
② そもそもアップスケールが「JPEG限定」というのがいけません。画質を狙うユーザーであればほぼRAWで撮影することでしょう。つまり、使い方としては、
「RAWで撮影→Macで調整→JPEG書き出し→Neural network Upscaling Toolで拡大」
という行程を踏むことになるわけです。
キヤノン機専用にして、CR3限定でいいので、RAWのアップスケーリングができれば相当楽なのですが?
無理なんですかね?
というわけで、いくらキヤノン側が「カメラ内」を謳っても、当然ですがPCやMacでの編集がメインとなる流れは止められないでしょう。
使うとすれば、よっぽどの緊急時か?
でも、画像の編集をしないでアップスケールだけする…という状況も想像できませんので、撮って出しを好む方以外はほぼ使い道がないのではないでしょうか?