各社新製品ラッシュの裏側で…日本製スマホの行方が気になる
「AQUOS」といえば,かつて省電力液晶「IGZO」で一斉を風靡し,日本製Androidスマホの中で名をはせた時期もありました。
「液晶のSHARP」
として,2000年代に一大ブランドに成り上がったシャープですが,その後に韓国勢のコスト戦略に敗れたことはご承知の通りです。
そんなシャープが,「自社製」の有機ELディスプレイを搭載したスマホ「AQUOS zero」を発表しました。
折も折,iPhoneXSの発売に始まり,GoogleのPixel3,GalaxyA9,Huawei Pro20など,各社のエース級が続々と発表されているこの時期。
今後の日本製スマホの行方が気になります。
「軽量」「ハイパフォーマンス」が魅力
この「AQUOS zero」,魅力はシャープ製の有機ELディスプレイと,6.2インチモデルながらも軽量であることのようです。
軽量と言うことについては,「超軽量マグネシウムボディ」に由来するものだそうです。
とかく「重い」と揶揄されることもあるiPhoneXSを尻目に,
「大柄ではあるが軽い」
というのは,一つの売りにはなることでしょう。
ちなみに,同機種よりもややサイズが小さいiPhoneXRを見ると,その重量は「194グラム」。
対する「AQUOS zero」は,「146グラム」ということですから,その軽量感はダントツといってもいいほどではないでしょうか?
個人的にはやや重量があった方が安心するので,私はあまり問題視しませんが,常に肌身離さずもっている方などからすれば,その軽さは魅力としてい写るのかもしれません。
また,基本スペックは以下の通り。
結構なハイスペックですので,性能的にも問題は無いはずです。
問題は「価格」と「キャリア」そして未来…
だとすれば,問題は「価格」と「キャリア」ですね。
国産の有機ELディスプレイを搭載した端末が一体どのくらいの値段で出てくるのかということについては非常に興味があります。
10万円を中心とした綱引きなるのか?
割高すぎると,さすがに通用しなくなる可能性がありますので,値付けは非常に重要だと考えます。
更に,発売されるキャリアが「SoftBank」限定だということも気になります。
どうしても裾野を広げるわけにはいきませんから…。
どうしてなんでしょうね?
有機ELディスプレイの調達数に限りがあるからなのか…。
いずれにしても非常に心配なのが,日本製スマホの行方です。
富士通がスマホから撤退したことで現存する日本のスマホメーカーは「SONY」「SHARP」「京セラ」の僅か3社のみとなりました。
しかし,その中でも京セラは「高耐久性モデル」に特化する展開を図っているので,一般的認知は大きく下がります。
そして各社の現状を見ますと,誰しもが今後の状況が心配になることでしょう。特に「SHARP」「京セラ」は正に虫の息という状況で,いつ「撤退」してもおかしくはないと考えるのが妥当。
ですから,かえって今回のシャープの「挑戦」には,少々驚かされました。
しかし,きっと遠くない将来,日本のメーカーは「中華スマホ」に飲み込まれるのではないかと予想します。
そして,iPhoneとGoogle,Samsung,一部の中華勢の「高級スマホ」と,低価格の中華スマホとに二極化するのではないでしょうか?
残念ながら,日本製スマホの出番はなくなる…。
こう考えるのは悲観的に過ぎるでしょうかねえ…?